これまで李代表は『反日闘士』のイメージを自己アピールに積極的に活用して、“大物政治家”へと成り上がってきた。城南という小さな地方自治体の市長が中央政界で名前を知られるようにまでなったきっかけは「慰安婦像建立運動」だった。
城南市長時代の李在明氏は城南市庁前に慰安婦像を設置することだけにとどまらず、京畿道の姉妹都市である米国カリフォルニア州のミルピタス市とオーストラリアのニュー・サウスウェールズ州における慰安婦像の建設などを積極的に推進した。
また、米カリフォルニア州のグレンデール市に建てられた慰安婦像が市によって撤去の危機に追い込まれると、使節団を派遣して慰安婦像保護運動を展開した。
2015年末に日韓慰安婦合意が発表されると、これに反発。慰安婦像の守護者を自任し、日本大使館前の慰安婦像の横で雪の中で一夜を明かした。慰安婦合意に対して「強◯法と合意したこと」と真っ先に声を上げ、「売国奴と侵略国との間の常識外の合意は無効」として一番先に無効を主張した。
反日不買運動の狂風が吹いた文在寅政権時期には自分が首長であった京畿道で「親日残滓清算プロジェクト」を推進した。2019年に京畿道内の親日残滓調査を実施、257人の親日人物、161個の親日記念物、親日人物が作った89校の校歌、日帝を思わせる12校の校章などを確認した。これによって京畿道は、前知事などの人物の親日行為をホームページに詳しく紹介し、親日記念物を撤去し、校歌・校章を変えるなどの「清算作業」を施行した。
「日本国民の親切さ、勤勉さ、美しい風景に魅了された」
また、京畿道議会は小・中・高等学校が保有している日本製の備品のうち20万ウォンを超える品目に対して、「日本戦犯企業が生産した製品です」と書かれたステッカー付着を義務化する条例案を推進して、保守系メディアから「やりすぎ」という非難を受けた。
尹錫悦政権が発足すると、尹政権に「親日売国政権」とのレッテルを張り攻撃した。つい1年4カ月前の2023年8月にも、李代表は日本の福島処理水放出を「第2の太平洋戦争」「汚染水テロ」と規定し、韓国全国を回って反日を扇動し、邢海明駐韓中国大使との間で福島処理水放流に対する中韓共同対応を模索するほか、国会内でハンストを行い、中国人から熱烈な支持を得た。尹錫悦政府によると、この1年間、李代表らの民主党が広めた怪談を正すために1兆5000億ウォンという巨大な費用がかかった。
それが、大統領の座を目前にした状況で、これまでの態度をコロッと変えたのだ。
昨年の12月26日、李代表は国会を訪問した水嶋光一駐韓日本大使に会い、「私は個人的に日本への愛情がとても深い」と強調した。李代表は「日本侵略に敵対感を持って育ったが、弁護士時代に日本に行って日本国民の親切さ、勤勉さ、美しい風景に魅了された」と、日本を褒め称えた後、「国民・国家のための正常な政治勢力の立場では隣国と過度に衝突したり敵対的関係を結ぶことは望ましくない」とも指摘した。
(略)
韓国が日本の植民地支配から独立して80年が経ったが、「反日」という古いイデオロギーは韓国社会で依然として強大な効果を発揮する。普通の韓国人も、慰安婦問題や独島(竹島)問題、歴史問題などでは自然に「反日」になるため、左派政治家たちは絶えずこのような問題を持ち出し反日を助長してきた。英国のフィナンシャル・タイムズが認めた「左派扇動家」である李在明代表も、政治の世界に足を踏み入れて以降、反日を武器に自分の名声を高め、支持者たちを結集させてきた。
しかし、もはや大統領を目標にして、李代表は自分の所信まで否定する果敢なイメージチェンジを図った。反日闘士のような急進的なイメージは、保守層はもとより中道層にも拒否感を呼び起こすためだろう。
ただ、良く言えば「状況に機敏に対応する政治家」、悪く言えば「状況によって主張や態度が頻繁に変わる政治家」という認識が強い李在明代表の最近の歩みが、韓国人から信頼を受けられるとはどうも考えにくい。
引用元: ・【李正宣】さんざん反日を煽ってきた李在明氏、大統領の座を目前に「私は日本への愛情がとても深い」と唐突な軌道修正 [1/14] [昆虫図鑑★]