少年は体育館の入り口で一礼したあと、教官に連れられ、私たちの前に現れた。その顔には、まだあどけなさが残る。「目的はお金ですね。お金メイン。気軽な感じで犯罪した自分がいますね。」
少年は時折笑みを浮かべながら、質問に飄々と答えた。
罪の意識がほとんどなく、ただ感情の赴くまま、安易に犯罪に手を染めていた。
子供の頃から勉強が苦手で、学校の授業にはほとんどついて行けなかった。
少年の IQ は「71」。「境界知能」と言われる数値だ。
●IQ71「境界知能」の非行少年
(記者)「本件非行は?」
(少年)「強盗予備と邸宅侵入です」
(記者)「具体的にどんなことをしたの?」
(少年)「強盗を仲間たちと企てて、特定した家の前に実行役を行かしたって感じですね。その時に(実行役が)熊の撃退スプレーとか、木刀とかを持っていたんで。仲間の2人が先に現行犯で捕まって、後々僕の名前を出したと思うんです。身を隠して、いろんな場所に行ったんですけど、最終的に地元に戻った時に逮捕されました。」
兵庫県加古川市にある国内最大の少年院「加古川学園」。収容人数は約120人にのぼる。
暴走族のような不良文化が衰退し、古典的な非行少年が少なくなる中、少年院に収容される少年は年々減少し、今では全国合わせても1600人ほどに過ぎない(令和5年)。
だがその一方で「境界知能」といわれる少年の割合が増えている。
「境界知能」とは知能指数が平均的な数値と知的障害とされる数値の狭間にある知能のこと。IQは70以上85未満で、専門家の推計では7人に1人が境界知能に該当するといわれている。
強盗事件で捕まり、少年院に収容された19歳の少年のIQは「71」。
境界知能に当たる。
【中略】
「境界知能」は、対人関係を築くのが苦手で、計算や漢字の読みなどの学習も不得意といった特徴がある。だが不自由なく生活できているように見えるため、医療や公的な支援に繋がりづらい。
加古川学園では5年ほど前から「境界知能」と呼ばれる少年が増え始め、今では全体の8割近くにのぼっている。増加の背景には、これまで見落とされていた少年たちの特性が鑑別所で細かく分類され、数として拾い上げられるようになったためとも考えられる。
少年院では入って2か月の間、院内の基本動作を学ぶため「行動訓練」が行われる。「気をつけ、前へならえ」といった号令に合わせ、隊列を組んで行進するなど、少年たちは日常の所作を徹底的に教え込まれる。
しかし境界知能の少年が多い加古川学園では、教官の言うことがきちんと理解できず、注意される少年の姿が目立つ。体操をさせてもリズムに合わせて動くことができない。中には途中で諦めてしまう少年も。指導にあたる法務教官はこう話す。
「手と足を一緒に動かすことができない、足を前に出すところを後ろに出してしまうとか、『君のことやで』と個別に注意しないと、ずっと間違えたままになっている。」
TBS 2025年2月15日(土) 10:50
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1721939
引用元: ・罪の意識なく非行繰り返した19歳「人の心の痛みとかわかんないです」…IQは71 難しい”境界知能”少年の矯正教育 [おっさん友の会★]
計算や漢字の読み書き苦手なんて社会人になるの不可能では?
無敵の人が増えることで地方の中小サッシ製造会社の仕事減る?潰れる?

