6/19(木) 12:001967年、モンキー・パンチが生み出した「ルパン三世」は、現在アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、韓国ほか8つの国と地域で、現地の言語に翻訳され出版されている。
さらに日本で1971年からスタートしたテレビシリーズ、劇場用作品、テレビ用長編スペシャルなどを含むアニメ版は、アメリカ、イギリス、イタリア、フランス、ロシア、中国、韓国、台湾など20の国と地域で上映、放送、配信、ソフト販売などの展開が行われている。
劇中のルパン一味よろしく、まさに世界を股にかける活躍ぶりなのだが、実は中でも絶大な支持を得ている国がイタリアである。
今回、ナタリーではTMS ENTERTAINMENT EUROPE S.A.Sの田原亜紀子氏と、イタリア文化に造詣が深いラジオDJ・翻訳家である野村雅夫氏の2人にインタビューを実施。なぜルパンはイタリアで人気なのか? その秘密を両者の発言から紐解いていく。
■ イタリアにおけるアニメの放送環境
「イタリアにおける『ルパン三世』の人気は驚くほど絶大です」。そう語るのは、アニメ『ルパン三世』シリーズの制作・著作元であるトムス・エンタテインメントの欧州支社にあたるTMS ENTERTAINMENT EUROPE S.A.Sの田原亜紀子氏だ。
「イタリアでの初放送は1979年のPART1(※日本初放送は1971年)でした。当時の反応はそれほどでもなかったのですが、再放送を重ねるうちにカルト的な支持を受け、次第に人気が広まっていったそうです。現在までに、PART6までのすべてのテレビシリーズが放送されています。現在も地上波全国ネット局のItalia 2で、朝、午後、夜中にテレビシリーズを再放送中です。年間を通じて定期的に再放送が繰り返され、多くの視聴者に楽しまれています。劇場用作品やテレビスペシャルも、これまでに大半が放送されています」
ここで押さえておきたいポイントが、イタリアにおけるアニメの放送環境だ。例えばイタリアの地上波局の公式Webで直近の番組編成を確認してみると、「聖闘士星矢」「キャプテン翼」「おはよう!スパンク」「ONE PIECE」など、懐かしいものから近年のものまで、日本のアニメ作品が昼夜を問わず放送されている。「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」「ドラえもん」といった作品を除けば、アニメ放送と言えば比較的深夜に本放送・再放送が多い日本の地上波キー局の状況とはかなり異なる。というか、50代以上の読者ならピンとくるかもしれないが、むしろ日本の昭和の頃に似ている、とも言えるだろう。
「イタリアで長年に渡って楽しまれている弊社の作品には、ほかにも『ベルサイユのばら』『おはよう!スパンク』『レディジョージィ!』などがあります。しかし、作品のボリュームという点では、やはりルパンのエピソード数が群を抜いていますね」(田原)
ここからは、ラジオDJや翻訳家として活躍中の野村雅夫氏にもご登場いただこう。イタリア人の母を持ち、トリノ生まれ・滋賀県育ちの野村氏はイタリア文化に造詣が深く、自身も長年のルパンファンを自負している。
「80年代にイタリアを訪れた際、テレビを観て、『えっ、こっちでもルパンをやってるの!?』と、びっくりした覚えがあります。当時、ルパンは地上波で複数の放送局を跨いで再放送されていました。僕の『ルパン三世』シリーズの入り口は、日本で幼少の頃に観たPART2の再放送でしたが、僕とほぼ同世代――つまり現在40代ぐらいのイタリア人の大半は、日本の同世代と同様にルパンの存在を認識しているはずです。僕には少し年上の従姉がイタリアにいるんですが、彼女と話すときも、ルパンは共通の話題のひとつでした」(野村)
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引用元: ・イタリア人はなぜ「ルパン三世」に惹かれるのか?イタリアの文化から紐解く [muffin★]


