特集:性犯罪を許さない▶
https://dot.asahi.com/feature/sexualcrime
2025/09/29/ 16:00
作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は男性教育者の性犯罪について。
福岡県の中学校で、教員免許を偽造した疑いのある60代の男性職員が教職に就いていたことがわかった。一部報道では、女子生徒に対し「エロく見える」などと言っていたという。教員免許は原本ではなくコピーの提出でもよしとする学校は多く、さらに都道府県によって免許のフォーマットが違っており、たとえ原本を提出されても「本物かどうか」を見分けるのは難しいのが現実だという。
正直、このニュースを知ったとき、最初に思ったのは「教員免許って、デジタルで全国一律管理してないのかよ!」ということで、怖いことに「性的関心を満たすためにはどんなことでもする」人の執念のようなものに、だんだん“慣れてきてしまっている”自分に衝撃を受けている。この男の目的が明らかになっているわけではないが、“性的な目的”を疑うのが“自然”と思えてしまうくらいに、今、教職者たちの性加害が毎日のように報道されているからだ。
つい先日も、広島県で27歳の男性教師(小学校)が靴にしこんだカメラで10代女性のスカートの中を盗撮した疑いで、現行犯逮捕された。広島県では6月以降にも、39歳の男性教師(小学校)が女子児童を教室に監禁し性加害する様子を撮影した疑いで、複数回逮捕されている。福井県では5月、女子生徒の下着を盗んだとして26歳の男性教師(中学校)が懲戒免職されたことが公表された。愛知県では6月ごろ、42歳の男性教師(小学校)が児童のリコーダーや帽子に体液をかける事件が起きている。愛知県の中学校でも、7月、24歳の男性講師が女子生徒の着替えを盗撮した。同じ愛知県で7月、23歳の男性講師(高校)が女子生徒に性的な動画や写真を送信させていた……。
……と、都道府県別にネットで検索しつつ書いているがキリがなさすぎる! いったん、「生徒の着替えを教師が盗撮」で検索をかけてみたところ、今年に入って、京都で、福岡で、北海道でも、勤務先の学校で盗撮した容疑で男性教師が逮捕されていた。逮捕されたと報じられている事件が3件というだけで、発覚していない事件もあるのだとしたら……「特殊な男が起こす特殊な事件」と考えずに、国をあげて教育現場を守るための施策が急務なのではないか……。って、あまりにフツーですよね。そしてこんなフツーなことしか言えない自分に悔しさを感じている。もうどこから手をつけていいのかわからないくらい、社会全体が「エロ」という軽さをまとったペドフィリア(小児性愛)の毒に侵蝕されてしまっているのではないだろうかという絶望がこみ上げてくる。
(中略)
先日、“パパ活”をしていたという女性教師(高校)が逮捕された。30歳の彼女はマッチングアプリで知り合った50代の男性から700万円をだまし取った疑いで逮捕された。そのお金も、他の“パパ活”相手の男性から「返せ」と言われていたお金だった。女性は「お金は返さなくてもいいと思っていた」と言っているという。
今、この事件を検索すると彼女の顔写真と実名がすぐに出てくる状況だ。彼女に同情はしないが、同じ教師の事件でありながら、男性教師の性加害と女性教師の“パパ活”で、報道のあり方のこの差は何なのか。生徒に性加害した男性教師の実名報道は珍しく、よほどでない限り顔は出ない。なぜ、生徒に加害したわけでもなく、“自分より若い女性との性的関係をカネで買う男の“エロ目的”を利用した女性教師の顔は、当たり前のように世間に晒されるのだろう。なぜ、この社会は男のエロに理解が深く、女の愚かさとしたたかさにここまで厳しいのだろう。
男のエロが年々年々、どんどん重く、ますますつらくなっている。
※全文はソースで↓
https://dot.asahi.com/articles/-/266114
引用元: ・男性教師が「性加害で逮捕」なのに実名報道されないケースも なぜ社会は「男のエロ」に寛容なのか 北原みのり氏 [少考さん★]
教え子やら学校やらが簡単に特定されて被害者のプライバシー守れなくなるから

