今回の改正における最大の焦点は、現行法における「売る側」と「買う側」の責任の不均衡だ。現在は「売る側」の勧誘や客待ちのみが処罰の対象となっており、「買う側」に罰則がないのは法制度としてバランスを欠くという認識が背景にある。
一方で、成人間の合意に基づく売買春行為に対する法的介入は、「個人の自由」の侵害にあたる可能性が高いため、慎重を期すべきだという意見も根強い。依然として多角的な議論が求められている問題である。
「買う側」を処罰する方向での法改正にはどのような問題点があるのか。性風俗の法律問題に詳しく、法務省の有識者検討会にも参加しているグラディアトル法律事務所の若林翔弁護士に話を聞いた。(ライター・中山美里)
早急な法的規制による様々な現実的リスク
若林弁護士は今回の売春防止法改正案に対して反対の立場を示している。その大きな理由として「風俗店の営業への影響」や「犯罪の温床化」に対する懸念を挙げる。
「売春・買春自体が犯罪ということになると、当然、客の足は風俗店から遠のくと予想されます。現在、風俗産業で働く従業者はキャストだけで40万人以上とも言われています。さらに、キャストのみならず店長、店員、広告代理店などの関連業種を含めると、さらに多くの方々が働いており、そこで働く人々の生活に大きな影響が出るというのが第一の懸念です。
もっとも、現在の報告書案では、売春・買春自体の犯罪化ではなく、売春の勧誘行為に対応した買春の勧誘行為の犯罪化に絞られておりますので、風俗産業やそこで働く人々への影響は最小限に食い止められる内容になっているかと思います」(若林弁護士)
懸念は他にもあるという。「買う側」への締め付けにより「売春の地下化」が進み、犯罪の温床化が進む可能性である。
「買春が犯罪ということになれば、それが売春の現場で男性をゆする材料となるのは自然の流れです。不同意性交等罪の成立以降、それをチラつかせての美人局(つつもたせ※)が急増しています。そういった犯罪の構造を形成する原因となる可能性があります」(若林弁護士)
※女性が男性を誘惑し、その男性が肉体関係を持った(または持とうとした)弱みにつけ込み、共犯の第三者と組んで金銭を脅し取る犯罪(恐喝罪、強盗罪、詐欺罪など)
全文はソースで 最終更新:9/30(水) 10:09
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb424c9125e1f686bef9c045d172b249e33d0fb2
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