「パーカーおじさん」「着物警察」「#KuToo運動」…。
近年、SNS上でよく議論が起こるファッションの話題。
誰にも迷惑をかけてないのに、様々な人が意見を述べ始め、ときには誹謗中傷まで発展してしまうことも。
なぜ、現代人は他人の服装に口を出したがるのでしょうか。
今回は、神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授の平芳裕子氏の新刊『何がダサいを決めるのか』(ポプラ社)より、SNS時代におけるファッション心理について抜粋いたします。
● 他人の服を「ダサい」という人たち
最近、ファッションがSNSでよく炎上しています。
SNSの投稿に対する批判や反論自体は珍しくはありません。アルバイト先での勤務態度やレジャー施設での迷惑行為など、問題行動を暴露する投稿に対して、不特定多数の人が怒りをあらわにすることはよくありました。
ところが近年、身なりやファッションに関する投稿が注目されて、ときには大きな議論を呼び起こすことがあります。
近年のファッションをめぐる炎上はいくつかのタイプに分けることができますが、なかでも注目したいのは、他人の着ている服の是非を問うタイプのものです。
もちろん、社会の習慣に即しているかどうかが問われることもあるのですが、それ以上に、誰かが着ている服装をけなしたり、「ダサい」と言ったり、ダメ出しをしたりするのです。
特に話題となった例として、「パーカー」をめぐる議論がありました。2024年の年末からしばらくの間、かなりメディアを賑わせたので、思い当たる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、忘れてしまった、気づかなかったという方もいらっしゃるかもしれませんので、経緯を説明しましょう。
● なぜ「40歳」という具体的な年齢だったのか
事の発端は、あるYouTubeの動画で、コラムニストの女性が「40近くになってパーカーとかを着ているおじさんは結構おかしいと思う」と発言したことにありました。
もともとこの動画は、当時37歳のインタビュアーが「素敵なおじさん」になるために、女性からアドバイスをもらうという企画のもとに作られたそうです。
しかし、「40歳の男性はパーカーを着るべきではない」とも受け取れる女性の発言が、人々を驚かせました。
この発言がメディアで取り沙汰された初期に私は動画を見たのですが、そのときには、インタビュアーと女性との間で職場に関する話題があったように思いました。ところが、この本を書くにあたってこの動画を見直したところ、私の記憶していた場面はありませんでした。
やや唐突にこの発言が登場したのですが、動画が事後的に編集されたのかどうかを知る手だてはありません。そのため発言が出てきた文脈を追うことは難しいのですが、いずれにしても、
「40近くになってパーカーとかを着ているおじさんは結構おかしいと思う」という表現が一人歩きをして、さまざまな議論を呼び起こしたことは事実です。
では、この表現の何が世間に衝撃を与えたのでしょうか。まずは「40」と具体的な年齢が出てきていることです。
話し手であるインタビュアーが37歳であることを意識しての「40歳」という数字の選択と思われますが、「40歳」は一般的にはもう若くはない年齢です(もちろん、見た目で若々しい人はいるでしょう)。
中国の思想家である孔子が『論語』のなかで「四〇而不惑」と述べたように、自分の生き方や考え方に迷いがなくなる。そういった年齢が40歳でもあります。
「40近くになって」ということは、まだ40歳になるまで数年ありますが、そろそろ知識や経験を得て、分別をわきまえているはずだというニュアンスが含まれていると思われます。
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引用元: ・「40歳でパーカーはダサい?」… SNSで他人の服を裁き続ける人たちの残念な心理 [冬月記者★]
生乾き臭がさ


