https://dot.asahi.com/aera/2023052400046.html
AERAは1988年5月の創刊から、創刊35周年を迎えた。創刊当時と現在では、社会状況や人々の生活は大きく変わった。では、より良い未来にするために、スポーツ界はどう変わればいいのだろうか。IOCアスリート委員・太田雄貴さんが語る。AERA 2023年5月29日号から。
日本のスポーツ界では、選手がファンから直接資金的な支援をされることは、特に五輪スポーツではほとんどありません。いくらファンに感動を与えても、給料を払うのは所属企業。競技団体(協会)から給与が出ているのは日本相撲協会だけです。選手がどこを向いて競技をするのかを考えた時に、ファンが優先対象になりにくい構造が長く続いてきました。
最近、多くの競技団体でスポンサー企業が協賛を降りたり、支援を停止したりしています。社名の入ったワッペンをつけるだけで支援を受けられる時代は終わったということです。
一方で、企業が取り組みたい社会課題が選手個人の持つ価値とかけ合わさると解決できると判断された時には、支援を得ることができます。ひとつの目安はどれだけファンがついているか。遠い存在だった芸能人がYouTuberになった途端に親近感が湧くように、「会いに行けるアスリート」とまでは言いませんが、多くの人に応援してもらえるよう、選手自身が能動的に動くべき時がきています。
僕は経歴だけみるとピッカピカなんです。フェンシングで日本人初の五輪メダルを取り、世界選手権で優勝。引退後の2017年に日本フェンシング協会会長に就任し、21年8月にはIOCアスリート委員に選出されました。
しかし、世界ランク2位で迎えた16年のリオ五輪は初戦で敗退。自分への失望と周囲をがっかりさせてしまったことが心にのしかかり、リオ後2年くらいはあの日に戻った夢を何度も見ました。自分の中ではうまくいかなかったことの方が多いかな。
日本フェンシング協会会長としては、全日本選手権の日程や演出を工夫し、総入場者数を前年の5倍まで増やすことができました。でも、振り返ると選手や協会役員との対話が圧倒的に足りなかった。僕に仕掛けてくる人には機会を与えましたが、そうではない場合のフォローは不十分だったなと反省しています。
スポーツ界では年々、電通のビジネスモデルが通用しなくなっています。日本で主要なスポーツイベントを無料で観ることができるのは、電通が放映権をすべて買い取り、分配してきた結果ですが、放映権は高騰を続けていて、ネットフリックスなどの有料配信サービスが増えています。視聴率が取れなければ放映を見送るテレビ局は出てくるのは自然な流れです。
その結果、お金を払って試合を観ることになる。危惧しているのは、課金に慣れていない日本人のスポーツ離れです。ファンを獲得できるだけの魅力を持ち、それを発信できるグローバル人材を育てておく必要があると感じています。
■カジュアルに楽しむ
少子化が直撃し、多くの競技団体で子どもの競技人口が減少中です。増やすのは大変なので、最適化することが重要です。運動能力が高い子は、野球やサッカーに流れがちですが、甲子園で優勝できるのは1校だけ。別の競技をやればトップに立てる選手は必ずいます。東京五輪フェンシングの金メダリスト4人のうち、見延和靖は中学までバレーボール、加納虹輝は小学生の頃は体操をしていました。
各地で才能発掘事業が始まっていますが、現時点ですでに自分で選んだ競技に真剣に打ち込んでいる子は、その場には出てこない。なので、まずはシーズンスポーツ方式がよいでしょう。夏はラグビー、冬はスキーなど、いくつも経験する習慣が広がればいいですね。
AI環境の加速により、今後、人間は仕事から解放され、好きなことをする時間ができます。ぜひその増える「自分への時間」で身体を動かしてみましょう。散歩やトレッキングでいいのです。頂点を目指し、勝つことを追求するばかりがスポーツではありません。もっとカジュアルに、ライフスタイルのひとつのオプションになればいいな、と。「非日常だったスポーツが日常化すること」は、結果的にグローバルなスポーツ界における日本の競争力の向上にもつながると思っています。
(構成/編集部・古田真梨子)
※AERA 2023年5月29日号
引用元: ・太田雄貴IOC委員 日本人のスポーツ離れを危惧、高騰する放映権と広がる課金制 [征夷大将軍★]
太田はんが委員?そっちのほうが○○されるわ・・・
まずは河川敷にある広大な有料野球用地を全て取り壊せ
話はそれから
今までおかしかっただけ
まあ自業自得だ
まぁ分散しただけだよな
チームスポーツ離れはあるかもしれないよ。ボルダリングやスケートボードみたいな個人競技が人気だし