神戸新聞NEXT
この記事には性被害の描写が含まれます。
◇
祖父の仏壇を前にすると、体が汚いものに侵されていくようなあの感覚を思い出す。
近畿地方で暮らす竹山祐介さん(30代)=仮名=は中学2年のとき、祖父から性被害に遭った。毎年の盆と正月に帰省し、顔を合わせた。「物静かだけど、優しいおじいちゃん」だと思っていた。
あるとき、祖父から「話がある」と部屋に呼び出された。昔話を始めたかと思うと、話題は次第に猥談に。祖父は「毛は生えたんか?」「成長ぶりを見せなさい」などと言って、無理やり孫の体に触れた。竹山さんは抵抗したが、そのまま口淫された。
混乱した。それからも、普段と変わらない日常は続く。家族で食卓を囲み、笑い合いながら食事をする。だんらんの中には祖父もいる。
「錯覚してしまうような、悪い夢を見ていたような。自分に起きたことと、その後の日常が違いすぎて」
優しくしてくれた祖父と、思春期の少年に迫ってくる祖父が、同じ人物だとは思えなかった。「あの日のことは、記憶違いじゃないか」と自分を疑った。
「汚い大人の性処理の道具に自分は使われた」「自分は薄汚いもの、けがらわしい存在」
そんな思いにとらわれる。あれ以来、自分の心も体も大切にできなくなったような気がする。
■家族が壊れる
20年以上が過ぎた。竹山さんは、机の上を指でなぞりながら言った。
「普段の生活でべたっとしたものに触れると、自分が汚れていくようなあの気持ち悪さがよみがえるんです」
祖父にされたことは、親族の誰にも話していない。両親にも信じてもらえないかもしれない。もし警察に被害を届け出たら、と想像したことはある。でも…。
「それをすると、家族が壊れる。やばい一族だと思われてしまう。僕さえ黙っていれば」と、心にふたをした。
性被害について、初めて誰かに話したのは大学生になってからだった。相手は友人だった。
「初体験の相手は、入れ歯を外したおじいさん」。そうやって、目いっぱい冗談めかした。
もし深刻に打ち明けて、うそではないかと疑われたら。頭がおかしいと思われたら。傷つくのが怖くて、おどけたふりをした。一方で、抱え続けるのも限界だった。孤独だった。
「そんなことがあったのかと、誰かに言ってもらいたかったのかもしれません。祖父がしたことはおかしいことだと」
■兄弟は全員
続きは↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/45c95a64146d9896e0c234344eb09188d59588e5
引用元: ・【性被害】中2のとき、祖父にされたー 誰にも言えなかった性被害、30代男性 自分の心も体も大切にできなくなった [ぐれ★]