トシノリさんが提案すると、サブローさんは顔を真っ赤にして怒りを露わにしました。「まだ目も耳も確かだし、反応速度だって衰えていない! 年寄り扱いするな」と言い張る父に対し、トシノリさんも「車は手元に置いておいていいから、運転をやめるだけでいい」と一歩も引きません。しかしサブローさんは「走らせない車になんの価値がある。乗れてこそのクルマだ」と一蹴するばかりでした。
それから半年間、トシノリさんは実家に通うたびに説得を重ねました。維持費の試算表を提示し、孫からも「おじいちゃんの運転は心配だからやめて」と説得してもらうなど、家族全員で説得を続けました。最後は根負けしたサブローさんが「もう好きにすればいい」と捨て台詞を残し、警察署へ出向いて免許を自主返納したのです。トシノリさんは「これで他人に怪我をさせる心配がなくなった」と深く安堵しました。
生きがいを失った父
返納から1ヵ月ほどが経過したころ、不便な生活を送っているであろう父を気遣い、トシノリさんは実家を訪れました。
居間に入ると、サブローさんは電源の切れたテレビの画面をぼんやりと見つめたまま、ソファから動こうとしませんでした。声をかけても、父は視線をわずかに向けただけで「ああ、来たのか」と力なく答えるだけでした。
ふと庭のガレージへ目をやると、あんなにも愛でていたランドクルーザーのボディに、うっすらと埃が積もりはじめていました。父が事故を起こしてしまうかもしれないという恐怖から解放されたはずのトシノリさんでしたが、生き生きとした表情を失い、急激に衰えてしまった父の姿を目にして、激しい戸惑いと胸のざわつきを抑えることができません。父は生きがいを失い、生き地獄となってしまったのかもしれません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/13da7f94f093247ddcfa2fb6365d2c37ff58bf87
COMMENTARY解説
「乗れてこそのクルマだ」と父は語った。
安全を重視する家族と、生きがいを失う本人との落差が浮かぶ。
免許返納後の生活をどう支えるかが、各家庭の次の課題になりそうだ。
説得には半年を要し、維持費の試算表や孫からの説得も使われた末に、サブローさんが根負けして返納に至った経緯が記事にある。返納後にサブローさんがどう日常を立て直すか、家族がどんな代わりの生きがいを用意するかは記事に書かれていない。免許を取り上げる判断をした家庭ほど、返納後の支え方まで考える必要があるとの見方もできる内容だ。
VOICESネットの声
アクセルとブレーキ踏み間違い防止付くだけで全然違う
返納しなければ保険でなんとかなるから
事故起こしても返納しない方が統計的にマシみたいな結論になったと見てる
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