現在はイスラエルに亡命中のロシア人政治学者アッバス・ガリャモフは、かつてプーチンのスピーチライターだった。
現在はプーチン大統領にきわめて批判的な見方をしている。
■「かつてのプーチンは話が明快でした」
──2001年と2008年の計2回、あなたはプーチンのスピーチライターを務められていたわけですが、具体的に言うと、それはどんな仕事でしたか。
※略
しかし、いまは雰囲気が昔とはガラッと変わりました。仕事を辞められなくなりましたし、外国に旅行に行くこともできません。重要な議決がある日は休めません。
健康上の理由で休んだら(大統領府傘下の)「中央臨床病院」でチェックを受けなくてはなりません。抗うつ剤やアルコールに頼る人が続出しています。
誰も未来のことは考えません。未来を見るのがこわいからです。
みんなうつむいて、後回しにできるプロジェクトは、どんどん後回しにしています。大局を見据えた戦略が完全になくなっています。
みんな運用に関わる瑣末な問題ばかりに目を向けています。暗澹たる状況です。
──プーチンの演説は、初期の頃と比べるとどう変わりましたか。
プーチンがボリス・エリツィンと異なっていたのは、権力の座に就いた当初から、自分の考えを自分の言葉で言えたところです。
※略
しかし、ウクライナ侵攻後のプーチンは、何も言うことがなくなったのか、演説の中身も空っぽです。
ロシアがウクライナの4州の併合に正式に調印したときの長い演説も、5月9日の戦勝記念日のパレードの際の演説も、
プーチンは「西側の植民地主義」に反対しているだけです。
──演説の中身が空っぽになった理由は何ですか。
演説は言葉に過ぎません。大事なのは政策であり、演説はその政策を進めるための単なる道具でしかないのです。
政策がもたらすものが敗戦なら、どんな演説もそれを隠せません。言うなれば、がんを化粧品で治そうとするような話ですからね。
プーチンが善悪に関する抽象的な考察を述べる演説をしているのは、ロシア政府内で誰も負けを認めることができていない表れです。
※略
──最近はロシア政府を批判するプリゴジンの言動が目立ちます。これはどう解釈すべきですか。
ロシアのシステムが崩れ出しています。プリゴジンもそれを感じており、もう手順を踏んだり、序列を重んじたりする必要はないとしているのです。
──プーチンはなぜプリゴジンの言動を許容しているのですか。
誰かが闘わなければなりませんからね。プーチンの権力は、彼が強い指導者だというイメージの上に成り立っています。
敗戦となれば、プーチンの権力の正統性はゼロになってしまいます。
プリゴジンはそれなりに敢闘していますが、それに比べると、ロシア軍の将軍たちは、ゲラシモフ参謀総長やショイグ国防相も含めて、ずっと足踏みをしているだけです。
だからプーチンはプリゴジンを許容しなければならないのです。
そんな状況に行きついたのもプーチン自身の責任です。
プリゴジンはロシアのシステムを破壊している一方で、ロシアに安定性をもたらす要素の一つになっているところが興味深いです。
プリゴジンは、革命の急先鋒にもなれる一方で、革命を阻止できる人物にもなれる立ち回りを選びました。
言うなれば、ボリシェヴィキのトロツキーと(ボリシェヴィキと闘う反革命運動を率いた)コルニーロフ将軍を一人二役で演じているわけです。
その意味では、いま私たちの目の前で起きているロシア革命の驚くべき弁証法と言ってもいいかもしれません。
引用元: ・【崩壊】プーチンの元スピーチライターが語る 「プリゴジンはロシアのシステムが崩れているのを感じている」 [ごまカンパチ★]
ロシ信ってロシアが崩壊したあとどうすんだろ?
ロシア勝ってるけど?
何がしたいんだ?
かなりヤバそうだけど?