最近、プロ野球の現場にいると球団関係者や報道陣からこんな懸念の声が漏れ始めている。「打率3割」を超える打者が減少傾向にあるからである。
10年ほど前ならシーズン後半に差しかかるこの時期、打率3割を超える打者は数多く見られた。だが、ここ数年は様相が一変。3割を残す打者は数えるほどしかいない。
昨季セ・パ両リーグ合わせて規定打席に到達した3割打者は計6人だけ。
今季もここまで計4人と寂しい状況が続く。なぜ3割打者は絶滅危機に直面しているのか。要因の一つが投手側の技術向上と言われる。
昨今は球速150キロ超の直球を投げる剛腕が各チームに多数いる。そんなパワー系投手が何球種もの変化球を自在に操ることも珍しくない。中にはその変化球をさらに細分化。1球種を局面に応じて投げ分ける強者もいる。
迎え撃つ打者側の技術も日進月歩とはいえ、投手側の創意工夫や進化には追いついていないのが現状。このあたりが打者の打率低下を誘引しているのだろう。
では、今後打率3割は本当に手の届かない数字になるのか。先日、球場にいたスコアラーに聞くと「各打者の明確な狙いがあれば可能でしょうが…」と前置きしたうえでこう続けた。
「純粋な安打や本塁打だけで打率3割は今のプロ野球界では本当に難しい。だからこそ今以上に内野ゴロで安打を奪える走力や四球を選ぶ選球眼が要求されるはずです。かつて日米で安打を量産したイチローさんは圧倒的なスピードを武器に内野安打を稼いだことで高打率を残しましたし、大谷(エンゼルス)も走力に加え、相手の警戒による四球増などで3割近い打率を維持している。こうしたタイプの選手であれば日本球界でも打率3割を残すことは可能でしょう」
さらに「ただ昔に比べると投手のレベルが飛躍的に上がり、好打者でも打率を残すことが困難なのは事実です。現在セ・パの打率首位を走る2人(宮崎=DeNA、頓宮=オリックス)は内野安打や四球を奪うタイプではないので、
後半戦でどこまで数字を落とさず踏ん張れるか。いずれにせよバットやボールの反発係数など打者が有利になる要素が加わらない限り3割は夢の数字になる可能性はありますね」とも。
長年にわたり打者の目標値であった打率3割が今や超えられない数字になりつつある。一流打者の証しであった数字も時代の流れに合わせ、変える必要が出てくるのか。投打の均衡を保つうえでも打者側の奮起を期待せずにはいられない。
引用元: ・【球界こぼれ話】 このままでは3割打者は絶滅の危機・・・昔に比べると投手のレベルが飛躍的に上がり、好打者でも打率を残すことが困難
コリジョンルールで打てる捕手も育ちやすい環境になってるはず
上半身に全くブレがなく腰すら捻らない。