休校の決定権は学校教育法施行令に基づき教委側にある。市長が異議を唱えたことについて、25日の市議会委員会では一部市議から「外形的に政治権力の介入と思われる」との声も上がるなど紛糾した。
愛知県は「あいち県民の日」に合わせ、県内各市町村や小・中学校が11月21日から27日までの平日1日を休校日に指定できる制度「県民の日学校ホリデー」を創設。市教委は制度を活用し、11月24日を休校日と決定した。
しかし、河村市長は今月11日の市教委との会議で「愛知県が言った通りに休むのはとんでもない」「働く1人親を苦しませるな」などとして制度からの離脱を主張。市教委は既に保護者に通知していたため、県の制度と関係なく、市独自に11月24日を休校日にするなど対応を余儀なくされた。
◇教育長「収束させるには貫くしか」
25日の市議会委員会では一部市議から「政治権力の介入ではないか」と河村市長の対応を批判。市教委担当者は「市長の強い思いも参考にして教委として決定した。政治的介入の認識はない」と答弁したが、最後に自身の考えを求められた坪田教育長は「県の趣旨に賛同しており、混乱を収束させるには最初の判断を貫くしかない」として、河村市長の意をくんだ離脱を“撤回”した。一方、来年度以降は「白紙」としている。
委員会後に開かれた定例記者会見で、坪田教育長の判断について問われた河村市長は「認められない」と不快感を示した。また、市議が政治介入と指摘している点について「会議でいろいろな意見を言うのは当たり前。どこが不当な介入なんだ」と反論した。【川瀬慎一朗】
◇市長が市教委に意見は政治的介入
全国市民オンブズマン連絡会議事務局長、新海聡弁護士の話 合理的理由がないのに市長が市教委の判断に介入する意見を述べるというのは政治的介入で、市教委は非合理な政治判断に屈服したというそしりを免れない。今回、冷静になって市教委が独自の判断をやり直し、もう一度きちっと考え、特に(県の制度を)拒否する理由がないと判断したのならば、それは尊重すべきだ。
引用元: ・【政治】「"愛知県民の日"は学校休みね!」→河村たかし市長「名古屋は愛知県の植民地じゃない」と休校反対