飲酒ガイドラインは、国のアルコール対策の第2期基本計画(2021~25年度)に作成の方針が記載された。それを受け、この会議とは別の有識者による厚労省の検討会で議論してきた。
案では、飲酒による体への影響について、高齢者は若い時より体の水分量が減って酔いやすくなることや、20代の若者は多量の飲酒で脳の機能が落ちるとのデータがあると指摘した。
また、顔が赤くなるなどアルコールに弱い体質の人が飲み続けると、口の中や食道のがんなどのリスクが高まるほか、女性は男性よりアルコールの影響を受けやすいため注意が必要とした。
急激な多量の飲酒は急性アルコール中毒になる恐れがあり、長期間の多量の飲酒もアルコール依存症や生活習慣病、肝臓の病気、がんなどの発症リスクが高まるとしている。
飲酒量に関しては、お酒に含まれるアルコール量に着目した。自身の摂取量を把握して、健康管理に役立てることを勧めている。
具体的には、1日当たり男性40グラム以上、女性20グラム以上を参考に、より少ない量を心がけることが生活習慣病のリスクを減らすことにつながるとした。世界保健機関(WHO)が「飲酒量が少ないほど、飲酒によるリスクは少なくなる」と指摘していることも加えた。
現行の厚労省の健康づくり対策「健康日本21(第2次)」では「男性40グラム以上、女性20グラム以上」が生活習慣病のリスクを高めるとして、この量以上の飲酒者を減らすことを目標の一つに掲げている。
一方、第1次では、節度ある適量として「1日当たり純アルコールで20グラム程度、女性はより少ない量が適当」との目安があった。自治体や病気予防に取り組む団体などは、主に両方を周知するなど対策をしてきた。
だが、ガイドライン案に「20グラム」の目安は記載されなかった。
29日の会議では、委員から「数字が独り歩きして、男性は40グラムまでが適量と誤解される」「低リスクの指標として20グラムを併記すべきだ」などの指摘が相次いだ。がんなどのリスクを考えても40グラムは高いとの意見もあった。
一方、「飲酒量をできる限り少なくする」という記載に評価する声もあった。
このため、厚労省はガイドラインの案を検討会で再検討することにした。案がまとまった段階で、パブリックコメント(意見公募)を実施する予定だ。
アルコールの問題などに取り組むNPO法人「アスク」の今成知美代表は「体格が大きく体質的にお酒が強い人が多い欧米のガイドラインと比べても、数値が高い」と指摘する。
ガイドライン案をまとめた検討会の資料によると、海外の1日当たりの許容量は、次の通りだ。
米国=男性28グラム、女性14グラム▽イタリア=男性(21~65歳)24グラム、女性12グラム▽スウェーデン=男性20グラム、女性10グラム▽韓国=男性40グラム、女性20グラム▽シンガポール=男性20グラム、女性10グラム。
今成さんは「今のままの案では、飲酒量を減らそうとしている世界の流れに逆行する」と懸念を示した。【下桐実雅子】
毎日新聞 2023/9/29 20:48(最終更新 9/29 21:56) 1571文字
https://mainichi.jp/articles/20230929/k00/00m/100/343000c
引用元: ・国の初の飲酒ガイドライン案に異論噴出「誤解される」 再検討へ [蚤の市★]
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