ジャニーズ事務所は会見の運営を外資系のコンサルタント会社に委託しており、この会社が手を挙げても指名しない記者やフリージャーナリストらのリストを会場に持ち込んでいたという。名前はもちろん写真付きだったというから、手が込んだものと言えるだろうか。
「リストには、東京新聞の望月衣塑子記者やジャーナリストの鈴木エイト氏らが記載されていたようです。ただ、記載されていたから指名されなかったわけではなく、質問できた人もいましたね
と、NHK関係者。
「前回の9月7日の会見では時間無制限で行われた結果、4時間を超え紛糾した印象を与えたところもありました。それを踏まえ、円滑な進行をするにはどうしたらよいのかについてコンサル会社側で検討がなされた末の苦肉の策がリスト作りだったのかもしれません。が、ジャニーズ側から“絶対当てるように”と言明されなくても、そうすべきだったでしょう。仮にどうしてもNGリストを作りたかったとしても、6人くらいが対象ならリストなどにしなければよかったようにも感じました。そもそも、それを会見上に持ち込んで見えるように持ち歩くスタッフがいるのが信じられないくらい不用意なことです。危機管理を期待されての依頼だったでしょうに、逆効果ですよ。性加害について丁寧に謝罪し、真摯に対応していくという事務所側の姿勢に疑問符がつきかねませんからね」(同)
「NG」対象となっていたとされる望月記者は前回の会見で、数分にわたって持論を展開したうえで、東山紀之新社長に対し、《話していただきたいのは、東山さん自身がデビューする前にですね、ジャニーさんから、加害的なものを、他のメンバーを含めて、加害を受けたというご記憶があるのかないのか》と尋ねていた。性被害の告白を半ば強要するものとして相当な批判を浴びた。セカンドレイプまがいだ、というのだ。
そして今回は会見の終了が告げられた後、東山社長に対して過去の性加害の事実について尋ねるひと幕があった。
望月氏が「事実を向き合ったうえで新会社のトップに就任すべきではないでしょうか?」と問うと、東山社長は「僕は性加害はしていませんので」との回答。さらに望月氏が「性加害をしていないというのを貫くんですね」と重ねると、「貫くというか、本当のことを言ってるんです」と東山社長は返した。
「NGリストが存在したということで、そこにリストアップされていた望月氏らの言動に同情が集まる部分もあるかもしれません。が、過去2回の振舞いを見たりして感じたのは、会見に対する考え方を改めて吟味した方がよいのではないかという点です」
と話すのは、民放テレビ局の元幹部。企業や著名人のスキャンダル会見などに関与してきた経験を持つ。
「海外は別として、一般的に国内で不祥事を犯した企業やスキャンダルに巻き込まれた著名人が会見をする際、いつ・どこで・どんな風にやるのかの枠組みを決めるのは企業や著名人側です。ルールというほど厳格なものではないにしても、それを守ったうえでのやり取りをしなければ運営に支障をきたすことになります」(同)
今回でいえば「時間制限を設けるほうがおかしい」といった意見もあるが、「時間無制限」は現実的ではないのは間違いない。望月記者にマイクを握らせて1時間与えれば、他の多くの記者からは不満が出る。
「そもそも、民間企業ですから、会見をする義務は存在しないのです。書面のやり取りだけで済ませることもできる。それでも会見をする意図とは、贖罪なり説明責任を果たすなりして再出発していきたいという思いを伝えることでしょう。ある意味でこれも企業にとってはPR活動なのです。(抜粋)
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