その意義と、世界への貢献度について考えてみたい。
ノーベル賞の選考委員会は、授賞理由について「2人の発見は、2020年1月から爆発的に広がった新型コロナウイルスに対して効果的なmRNAワクチンの開発に不可欠だった」としている。
この新しい技術が、つい3年前の新型コロナで実用化されたために、いまだに安全性について根深い懸念もある。
これに対し、ノーベル賞の選考委員会は「mRNAワクチンの接種は始まってまだ間もないが、すでに延べ130億人が接種を受けている。副反応も限定的で、有害事象として特に若い男性で心筋炎が出ることがあるが、ほとんどの場合は軽度だ。新型コロナに感染する方が長期的な健康への影響がある」との見解を示している。
要するに、mRNAワクチンの功績と安全性について、ノーベル賞でお墨付きを与えたものと理解していいだろう。
カリコ氏は研究者であるとともに、13年からビオンテック社副社長を務めている。同社は米ファイザー社とともにmRNAワクチンの供給で巨額の利益を上げたはずだ。カリコ氏はノーベル賞受賞決定により栄誉を、ビオンテック社副社長としては富をも得たとみられる。
そうした意味では、左派・反ワクチン論者にとって、カリコ氏は最も非難すべき人物といえるのかもしれない。
忌むべきmRNAワクチンの供給がノーベル賞の対象になることはありえず、しかも、株式市場などを通じて巨額の利益がもたらされていることは、左派からは許されないもののはずだ。
日頃、左派・反ワクチンの傾向が強いマスコミも、今回のノーベル賞受賞決定については表立った反対も目立たない。カリコ氏もあくまで科学者のスタンスで、ビオンテック社副社長の側面にはあまり言及していないようだ。
とはいえ、栄誉も富もどちらも羨望の的になるはずで、左派・反ワクチン論者がどのようにみているのか知りたいものだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)
https://www.zakzak.co.jp/article/20231007-HXEANS455BKIPDXUCUTWEM2JSU/
引用元: ・【高橋洋一】コロナ「mRNAワクチン」でノーベル賞 功績と安全性にお墨付き、反ワクチン論者がどのようにみているのか知りたいものだ