【動画】恋人の前でハマスの戦闘員に拉致される女性
米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、イスラエルとガザとの国境沿いに暮らす人々がハマスの戦闘員によって拉致されている。「キブツ(イスラエル特有の農村形態)であるナハル・オズなどの村や、軍事基地、そして当日開催されていた野外音楽フェスにいた市民が連れ去られた」という。
イスラエルで国家安全保障アドバイザーを務めていたエヤル・フラタによれば、ハマス側は「数十人の人質をとらえれば、イスラエルに収監されている捕虜と交換できる可能性が高まると期待していたかもしれない」と語る。だが「歴史上最悪の状況にあるイスラエルにとって、今はそのような交換を検討する時ではない」と続けた。
およそ150人のイスラエル市民がハマスに連れ去られており、そのなかには民間人、兵士、障がい者、高齢者、そして9ヵ月の子供まで含まれている。
誘拐の現場
ガザ出身のパレスチナ人フリージャーナリスト、ムタナ・アル・ナジャール(39)が映した誘拐現場の様子が、SNSで拡散されている。
撮影されているのは、ナハル・オズ在住の女性シリ・ビバスと、息子のアリエル(4)とクフィル(9ヵ月)が捕らえられる様子だ。武装している男たちに「母子を傷つけるな」と声をかけるアル・ナジャールの声が聞こえる。
戦闘員による襲撃が起きた当初、シリと子供たち、そして夫のヤーデンは自宅のセーフルームに逃げ込んだことが、ニューヨーク・タイムズによる取材からわかっている。武装勢力が窓の外で自動小銃を撃つなか、ヤーデンは親族に向けて「みんな愛してる」とメッセージを送った。その30分後に「奴らが入ってくる」とメールして以降、連絡は途絶えた。
捕らえられるシリと2人の子供たちの映像を、母子の親族はSNSで見つけたという。そこにヤーデンの姿はなかった。
「この映像を撮影・投稿したアル・ナジャールは、ガザとの境界沿いのフェンスを突破してイスラエルに入国した」とニューヨーク・タイムズは報じる。ガザ地区はイスラエルによって封鎖され、住民は閉じ込められている。そのため彼は「ガザを離れるのは人生で初めてだと語った」という。
拉致される母子を撮影していた際、アル・ナジャールは母親を慰めようとした。彼はニューヨーク・タイムズに対し、次のように語っている。
「子供たちと一緒に捕らえられた女性に『落ち着いて、辛抱して』と言いたかったんです。だけど私は彼女の言語を話せないことに気づきました」
米紙「ワシントン・ポスト」は、ガザのシェジャイヤ地区で撮影された映像を報じている。映っているのは、武装した男たちによって車へ押し込められる血まみれの女性だ。「神は偉大なり」という叫び声と銃声が聞こえるなか、後ろ手に縛られた女性は後部座席へ引きずられてゆく。
また、武装した男たちがイスラエル南部のキブツ・ベエリから人質を連行する様子も撮られている。これはハマスの一員が撮影したものだ。「弊紙が確認したところ、この動画に映る人質のうち、少なくとも4人のイスラエル人は捕らえられた直後に殺害された」とワシントン・ポストは報じる。
同紙の検証によれば、連行される様子が撮影された場所からほんの数メートル離れた路上で、同一人物とされる4人の遺体が別の動画で撮影されている。
イスラエルの救助機関「ZAKA」のスポークスマン、ジョシュ・ワンダーによれば、キブツ・ベエリだけでも、少なくとも108体の遺体が発見されている。この数が政府の発表した死者数に含まれているかはわかっていない。
一方のハマスは、イスラエルが事前通告なしにガザの民家空爆を続けた場合、連れ去った人質を処刑すると警告している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d0dcc3d46b3d05d1bc8c0d7f4f692613873f18bf

