東大教授 ｢少子化でもいいじゃないか｣｢そもそも日本に1億2000万もの人間が必要なのか｣

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「少子化」でもいいじゃないか　　赤川学（東京大学大学院教授）――政府のバラマキによって出生率は改善しますか。
経済学の人は、「お金を支援すれば生むようになるはずだ」という考え方をするが、
人間はそんな単純なものではない。もちろん、子育てを公的に支援すること自体は悪いことではない。
親のライフスタイルを問わずに、児童手当の所得制限を撤廃して、一人ひとりの子どもを支援する
という方向性は正しいだろう。しかし、お金を配っても出生率が上がらないことは、日本だけでなく
他国を見ても明らかだ。念のために言うが、出生率が上がらないならやめろという意味ではない。
財務省の論理ではそうなるが、出生率向上に寄与しなくても、子どもへの支援自体には一定の意味はある。
――子どもが増えないことは国を危うくしませんか。
少子化によって働く人が減り経済成長が止まり、年金制度が維持できずに最終的には民族が滅ぶ――。
こういうロジックがあるが、果たして本当だろうか。そもそも少子化が低成長の原因であるかどうかを検証しなければならない。
豊かになれば子どもの数が減るのは世界史的に見れば当然のことだ。
研究者によっては「少子化したから経済成長できた」と言う人さえいる。
経済成長をすることが目的なら、少子化でも可能性はある。
また、日本という国に1億2000万人の人口が本当に必要なのかという議論もある。
――少子化対策は必要ないのでしょうか。
本当に対策するなら、少子化の原因を考えて、理屈の上ではその逆をやればいい。
子どもへの教育投資を減らし、女性の地位向上を妨害し、社会に進出しないようにすれば、子どもは増えるだろう。
しかしそんな社会で本当にいいのか。女性を抑え込むことは不可能だし、やってはいけない。
――どんな対策が考えられますか。
少なくとも日本がやっている対策に有効なものなんてないと思う。そして、「少子化対策」を掲げれば予算がつく現状は問題だ。
繰り返すようだが、子育て支援自体には反対しない。しかし、少子化対策のためにブライダルに補助金をつけるのは意味不明だ。
私は20年ほど前から「子どもが減ってなにが悪いか」と言い続けてきた。そろそろ少子化の名のもとで何かをするのは、やめにすべきだ。

https://www.sentaku.co.jp/articles/view/23556

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