韓国の主婦たちが利用するインターネットコミュニティーに「サントリーのウイスキーはどこに行けば買えますか」というコメントをよく目にする。現在、この問い合わせに答えを書ける韓国人はいない。むしろ「私も知りたい」「買いたいけど、どこに売っているのか分かりません」などのコメントが相次いでいる。
サントリーウイスキーをめぐってなにが起こっているのだろうか。
韓国でのサントリーウイスキー人気を牽引(けんいん)したのはハイボールだった。韓国の若者が日本を旅行中、ハイボールに魅了された。韓国には国産の有名なウイスキーブランドはなく、輸入ウイスキーが主流だ。“サントリーウイスキーホリック”を自称するKさん(30)はこういう。
「欧米のウイスキーは味が濃く、ハイボールに向かない気がする。そこへいくと、日本のウイスキーでつくるハイボールは味が優しく、レモン果汁とも合う」
新型コロナウイルスも後押しした。外食を控え、家でハイボールを作って飲む若者が急増。特に最近、あるバラエティー番組で有名な芸能人が家でハイボールを作って飲んでいることが話題になった。SNS上にはこの芸能人の独特なハイボールのつくり方をまねた写真が多数、アップされた。
韓国で売られているサントリーのウイスキーは、700ミリリットルの角瓶1種類しかない。価格も日本の3倍近い3万9800ウォン(約4094円)で売られていた。しかし店で飲むことを思えば……ということだろうか。
韓国関税庁が今年6月ごろに発表した統計でも日本ウイスキー人気がうかがえる。輸入量は、2018~20年は60~70トン台だったが、21年には142.4トンとほぼ倍増した。
ところが、今年はじめから大型スーパーの「Eマート」や「ロッテマート」からは、サントリーウイスキーの角瓶が消えた。販売台が空っぽの時間が1~2カ月続いたから、一時的な品切れとは考えられない。
スーパーと酒類卸売業の関係者に問い合わせると、「韓国の輸入会社がサントリーに発注した数量よりも供給量が少なく、現在韓国に残っているウイスキーの角瓶が不足している」という回答。
21年9月ごろ、韓国内でのサントリーウイスキー角瓶の年間予想販売量はすでに上まわっていたという。
日本国内でも巣ごもり需要でウイスキーの売り上げが増え、原液の不足によって生産量が減ってきていた。ウイスキーは原液熟成までには相当な時間がかかるため、迅速な供給ができなかったのだ。
サントリーは昨年このような問題を解決するため、韓国に対する角瓶の出荷を制限した。それが品薄現象につながったようだ。
やっとのことで輸入した業者は、より高く売れる居酒屋や日本飲食店に優先的に販売。その結果、スーパーではサントリーウイスキーの争奪戦が展開されることになった。
一部の店舗では値段を釣りあげて販売されている。記者も最近、京畿道付近のリカーストアでサントリーウイスキー角瓶を買いたいというと、「予約が必要で、1本4万6千ウォン(約4730円)」といわれた。なかには自分たちが日本から安く買ってきたウイスキーを売る業者も出てきているという。
地元の男性(36)があきれ顔でこう話す。
「3年前までは日本のビールと自動車、ユニクロの不買運動を行い、『NOJAPAN』を叫んでいのに、そこまでしてハイボールを飲まなければならないのかと、と情けなくなる」
(現地ジャーナリスト/ノ・ミンハ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/0b04c8a4b51a0008d4c0f68aa98deb20acd47e4c?page=1
引用元: ・韓国でサントリー角瓶が争奪戦に 700ミリリットルが4千円超! ネットでは「どこで買えますか?」 [10/7] [昆虫図鑑★]