【最近の研究】新型コロナウイルス感染後遺症はセロトニンの減少と関連、セロトニン欠乏は迷走神経シグナル伝達の減少により認知力を損なう

「長期コロナウイルス」またはPASCを含むポストウイルス症候群は、最初の病気の後も長期間持続し、疲労、認知障害、セロトニン欠乏などの症状を伴うことがよくあります。これらの症状の正確な分子的原因は依然として解明されていません。

しかし、提案されている理論の中には、未解決のウイルス貯蔵庫、慢性炎症、自己抗体、長引く抗ウイルス反応による組織損傷、血小板の問題、自律神経系の機能不全などが含まれています。

観察されたセロトニン減少メカニズムが集団的に作用するのか、それとも特定の患者サブセットで作用するのかを明らかにするには、さらなる研究が極めて重要です。

この情報は、ポストウイルス症候群、特に長期にわたる新型コロナウイルス感染症に関する現在の理解を深め、標的を絞った治療アプローチを導くものとなるでしょう。

研究結果
高度なデータ分析を使用して 1,540 人の患者の症状を分析したところ、8 つの PASC サブタイプが特定されました。ターゲットを絞ったメタボロミクスにより、症状が残らず回復している患者と比較して、長期にわたる新型コロナウイルス感染症患者では、異なる代謝物プロファイルが明らかになった。

セロトニンの枯渇は急性および長期にわたる新型コロナウイルス患者で観察されており、これは将来の長期症状のバイオマーカーとして使用される可能性がある。セロトニンの減少は、他のウイルス感染から回復した後にも観察されました。

マウスでは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2 (SARS-CoV-2) およびその他のウイルスによりセロトニン レベルが低下し、ウイルスが継続的に存在してもセロトニン レベルは維持されました。

実際、これらの低いセロトニンレベルは、マウスを合成ウイルス複製化合物ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリ(I:C))に曝露した場合にも持続したため、
持続的な炎症がこれらの低いセロトニンレベルに寄与する重要な要因である可能性が高いことを示しています。

セロトニンレベルの低下は、ウイルス反応中にしばしば存在する I 型インターフェロン (IFN) シグナル伝達の亢進に関連していました。

この経路または特定のウイルス RNA 感知成分を遮断すると、セロトニンの減少が防止されたため、この免疫応答の中心的な役割が確認されました。

注目すべきことに、新型コロナウイルス感染症患者とマウスの両方で血漿トリプトファンレベルの低下が観察された。

末梢セロトニンは感覚ニューロン、特に迷走神経を介して認知機能に重要な役割を果たしているため、PASCで観察される認知障害におけるセロトニン破壊の役割も評価されました。

セロトニンレベルを正常化するか、感覚ニューロンを刺激すると認知機能が回復し、ウイルス性疾患の影響での複雑な脳と体のコミュニケーションが説明されました。

https://www.news-medical.net/news/20231020/Low-serotonin-levels-observed-in-long-COVID-and-other-viral-infections.aspx

ウイルス感染症の急性後遺症におけるセロトニンの減少
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(23)01034-6?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0092867423010346%3Fshowall%3Dtrue

ハイライト
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新型コロナウイルス感染症の長期化は循環セロトニンレベルの低下と関連している
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セロトニンの枯渇は、ウイルスの RNA 誘導性 I 型インターフェロン (IFN) によって引き起こされます。
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IFNはトリプトファンの取り込みと凝固亢進の低下を通じてセロトニンを減少させます
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末梢セロトニン欠乏は迷走神経シグナル伝達の減少により認知力を損なう