【ピッツバーグ大学研究】幼少期の逆境に耐えた人は、新型コロナウイルス感染症で入院したり死亡したりする可能性が12～25％高い

 ピッツバーグ大学の新たな研究で、幼少期に虐待やネグレクトなどの逆境に耐えた人は、成人してから新型コロナウイルス感染症で入院したり死亡したりする可能性が高いことが判明した。具体的には、自己申告による幼少期の逆境が多いほど、新型コロナウイルス感染症による入院と死亡の確率が12～25％高いことに関連していた。年齢、性別、民族、健康状態、社会人口学的要因はパンデミック期間中のこうした結果に関連してきたが、これはこれらの新型コロナウイルス感染症の結果と小児期のネグレクトや虐待との関連性を発見した最初の研究となった。

イギリスの英国バイオバンクを利用するチーム -; ピットの学習研究開発センターの研究者であり、ケネス・P・ディートリッヒ芸術科学大学院の心理学の助教授であるジェイミー・L・ハンソンが率いる。

151,200 人を超える中年以上の成人から提供された情報を徹底的に調査しました。

この数字が示したのは、子どもがいる間に虐待や育児放棄などの「逆境」を報告した人は、新型コロナウイルス感染症で死亡したり入院したりする可能性が高いということだった。

この研究は、健康のさまざまな社会的決定要因に焦点を当てた英国医師会の雑誌「Journal of Epidemiology and Community Health」に11月1日に掲載された。

「これらの研究結果は、人生初期のトラウマが数十年後の健康に長期にわたる影響を与える可能性があることを浮き彫りにしています」とハンソン氏は述べた。

「英国と米国で新型コロナウイルス感染症が過度の入院や死亡に関連していることはわかっています。また、人生の早い段階で逆境、虐待、ネグレクトに直面すると、身体的健康に多大な影響を与える可能性があるという新たな研究結果も出てきています。

「しかし、この 2 つの傾向を結び付けようとした人は誰もいませんでした。
誰かの初期の発達についてもう少し詳しく知ることは、新型コロナウイルス感染症における格差を減らすために重要になる可能性があります」

ハンソン氏と共著者らは、自分たちの研究はより正確で世界的な研究への扉を開くものであると主張する一方、彼らの研究結果は、幼少期にそのような逆境に苦しんだ人々に対する新型コロナウイルス感染症の影響を軽減するための政策や介入が必要である可能性を示していると信じている。

ジェイミー・L・ハンソン、ピット学習研究開発センター研究員
パンデミックの永続的な影響を軽減するには、幼少期の逆境の影響を受けた個人や特定のコミュニティに的を絞った介入が必要になるかもしれません。

逆境はマイナスの結果をもたらすリスクや、新型コロナウイルス感染症が長期化する可能性をもたらす可能性があります。新型コロナウイルス感染症後にどのように逆境が「皮膚の下に」浸透し、健康不良に対する脆弱性を増大させるのかを理解するには、さらなる研究を完了する必要がある」

https://www.news-medical.net/news/20231103/Childhood-adversity-linked-to-COVID-19-deaths-hospitalizations-in-adulthood.aspx

英国バイオバンクにおける子ども時代の逆境と新型コロナウイルス感染症の転帰
https://jech.bmj.com/content/early/2023/11/01/jech-2023-221147