同じ年代の男性に比べると、苦しい暮らしを余儀なくされている女性たち。この差はいったいどこからくるのだろう。
「それは、女性が圧倒的に低年金だということにつきます」(藤田さん、以下同)
年金は主に、全国民が加入している「国民年金」と、会社員や公務員として働く人が加入する「厚生年金」があり、その合算が支給される。国民年金の受給平均額は月5万5000円ほどで、男女で比較しても、男性5万8806円、女性5万2708円と、多少女性が少ないものの大した差とはいえない。
ところが一転、厚生年金となるとその差は歴然。男性の平均額16万3380円に対して女性は10万4686円と、1.5倍以上の差がある。
「今、年金をもらっている世代の女性は、正社員になっても結婚・出産で退職が当たり前。長く働くチャンスを奪われ、再び働きたくてもパートかアルバイトで、当時は厚生年金に入ることができなかった。結果、国民年金だけ、あるいは厚生年金はあってもわずか、という低年金に苦しんでいるのです」
それでも、夫が厚生年金を受給できていればまだいい。たとえ夫が先に亡くなって単身になっても、多くの場合、厚生年金の受給額の4分の3が遺族年金として支払われるからだ。
「会社で働く夫とそれを支える妻というモデルにあてはまればいいのですが、そこから漏れるととたんに不利になるのが今の年金制度。夫が自営業だったり、夫と離婚した人、早くに死別した人も、ほぼ国民年金しかもらえない。生涯単身で、働いてはきたけれど会社員ではなかったという女性も国民年金しか受け取ることができないのです」
国民年金──、まるで国民を思いやるような響きの名前だが、実のところ生きることもままならない低年金というのがその正体なのだ。
ダブルワークもざらパワハラやいさかいも
いくら高齢といっても、さすがに月5万円ちょっとの収入では、毎日が生きるか死ぬかの瀬戸際だ。
「そういった低年金女性の倹約ぶりは壮絶で、とにかくお金を使わない。春は野草や山菜を採り、狭い畑で野菜を育て、知人友人に食料品をもらいながら生き延びる。とはいえ、それだけでは苦しいので、身体が動く人は働いている。ダブルワークも珍しいことではありません」
しかし、高齢女性を雇ってくれる職種は限られている。サービス業の人手不足などで求人は増えてきたが、高齢者には狭き門。就ける仕事は介護、保育、飲食業の裏方、清掃など、どれもそれなりに体力を使う仕事ばかり。
でも、たとえ身体のどこかが痛くても、働き口を失いたくないと、「元気です。健康です」とごまかしながら働き続けている人も少なくないという。
「80代半ばで働いている人もざらで、中には年齢を低く言っている人もいます。最近も、清掃の仕事で転んで手をついた拍子に骨折したシニア女性がいましたが、解雇されるのを怖がって労災も申請しなかったと……。仕事を失うのは死活問題なのです」
若い人に交じって働く現場では、パワハラも横行している。足腰は弱り、力もなく、スピーディーに動けない高齢者は、仕事の効率化という点では煙たがられる存在。
「同じ賃金なら、若い人がいいというのが雇う側や一緒に働く人の本音で、『ばばあ、早く辞めろよ』『仕事おせーんだよ』といった罵詈雑言もあると聞きます」
高齢女性が多く働いている介護施設に勤務する50代の女性に話を聞くと、高齢女性同士のいがみ合いや愚痴も目に余ると話してくれた。
「若い人からのパワハラもありますが、気持ちがギスギスしているのか、高齢者同士がたわいもないことで対立したり、ケンカしたりすることも多くて……。『あなたがやったんでしょ?』、『私じゃないわよ!』と失敗の責任をなすりつけ合うこともたびたび。
いつも愚痴ばかりで『ああ、ほんとは辞めたい』、『こんなところで働きたくない』と言ってるけれども、しがみついている感じがして。
職場の雰囲気も最悪で、若い人が嫌になって辞めてしまうんです。生活が苦しいのはわかるんですが、正直、自分は将来こんなふうにだけはなりたくない……って思っちゃいます」
引用元: ・【社会】「ばばあ、早く辞めろよ」雇い主や同僚からの罵詈雑言、“死ぬまでバイト”シニア女性貧困のリアル
やっぱ余裕無いから揉めてるんだろうけど人が頑張って入れた子を次々に葬っていくから困る
人手不足のため派遣会社からシニアを雇用するも、使えず3ヶ月で切る
めちゃくちゃよくある話