【研究】孤独は糖尿病を引き起こす

主観的な感情状態である孤独は、糖尿病や心血管疾患のリスク増加と関連しています。このリスク増加に寄与する根本的なメカニズムには、うつ病、認知能力の低下、老人ホームへの入所などが含まれます。

孤独は、食事の質、身体活動、アルコール飲料、喫煙、睡眠パターンなど、さまざまな経路を通じて健康を悪化させます。

認識されているストレスやうつ病などの心理的要因は、この関連性に一貫した影響を与えず、不健康な食習慣や肥満の影響を受ける可能性があります。

したがって、効果的な健康介入の開発を支援するために、孤独と肥満の間の仲介経路を調査するには追加の研究が必要です。

今回の研究では、研究者らは、米国の36歳から77歳の白人およびアフリカ系アメリカ人の成人において、身体活動、BMI、食事の質が孤独と糖尿病との関係を媒介するかどうかを調査した。

この研究には、2013年から2017年の間に「寿命を超えた多様性の近隣地域における健康な高齢化（HANDLS）」研究のフォローアップ訪問に参加し、説明変数、予測変数、および結果変数に関する完全な情報を持っていた1,713人が含まれており、これらは現在の研究に含まれていました。

研究結果
参加者の平均年齢は57歳で、そのうち59％が女性、39％が白人、38％が貧困以下の収入しかなかった。研究コホート内では、16% と 24% がそれぞれ前糖尿病と糖尿病に分類されました。

参加者の約 14% は、同行者がいないと感じることがよくありました。しかし、社会的孤立感を報告した人はわずか 8% でした。

参加者のうち、24%、26%、51%がそれぞれ標準体重、過体重、肥満でした。前糖尿病と糖尿病は、それぞれ白人およびアフリカ系アメリカ人の間でより頻繁に報告されました。

白人はアフリカ系アメリカ人の成人と比較して、疎外感を訴える傾向が高かった。孤独感は食事の質や身体活動と有意ではあるが逆相関を示した。

PROCESS マクロ モデルを通じて、孤独と糖尿病を結びつける 9 つの直接的な経路が確立されました。

孤独は食事の質、BMI、または身体活動に影響を与え、その結果、糖尿病のリスクに寄与します。

孤独を感じると食事の質が低下する可能性が高くなります。年齢、女性の性別、高学歴、貧困レベルを125%上回る収入は、食事の質の向上と有意に関連していた。

比較すると、若かったり、男性だったり、教育を修了した年数が長いほど、身体活動レベルが高くなる可能性が高くなりました。

身体活動は、BMI 値の変動に大きく寄与する予測因子でした。BMI 値が高いことは、年齢が若いこと、女性であること、貧困状態が 125% を超える収入があること、アルコール飲料の消費量が少ないことと有意に関連していました。

BMI 値が高いと、用量依存的に糖尿病のリスクが大幅に増加することが判明し、BMI の増加が大きいほど糖尿病のリスクが高くなります。

身体活動と BMI は、糖尿病リスクに対する孤独の影響に間接的に重大な影響を及ぼしました。人種や貧困の状況は、孤独が糖尿病に与える影響に大きな影響を与えました。

結論
孤独感は運動や食事の質と有意ではあるが逆相関があり、これは以前の研究と一致している。

糖尿病を含むさまざまな病気に伴う慢性炎症はうつ病と同様の病態を共有しているため、うつ病や孤独感などの精神的健康障害の発症は多面的なことが多いです。

さらに、精神的健康状態が悪いと、劣悪な睡眠習慣や精神的苦痛の増加に加えて、加工食品が多く、果物や野菜が少ないなど、質の悪い食事が多くなります。

https://www.news-medical.net/news/20231128/Can-loneliness-lead-to-diabetes-New-study-reveals-the-role-of-physical-activity-and-BMI.aspx

孤独と糖尿病の関連性は、食事の質ではなく、身体活動とBMIによって媒介される
https://www.mdpi.com/2072-6643/15/23/4923