40年連れ添った妻を殺害した罪に問われている75歳の男は、法廷で涙ぐみながら声を震わせ、こう証言した。
近所では「仲の良い普通の夫婦」と認識されていた2人に何があったのか。
法廷では「金銭的な不安などがあり、殺害を避ける方法は思いつかなかった」と述べ、寝たきりになった妻を抱え、周囲に助けを求めることもできず、身勝手な犯行に及んだ過程の一端が明らかになった。
■終わったな。娘のところに行って成仏してくれ
殺人の罪に問われているのは佐世保市の無職、前田敏臣被告75歳。
前田被告は今年3月、長崎県佐世保市世知原町の市営住宅の自宅で、当時74歳の妻の首を締めたあと、刃の長さが約20センチある刺身包丁を首に突き刺したとして殺人の罪に問われている。
この裁判は裁判員裁判で行われており、12月8日に長崎地方裁判所で開かれた初公判で、被告は起訴事実を認めた。裁判のポイントは量刑(被告人に科すべき罪の重さ)となっている。
(略)
■結婚約40年「仲がいい普通の夫婦」
75歳の被告は車いすで入廷後、右の耳に補聴器をつける。被告人質問などでは、弁護人や裁判官からマイクを通した声が聞こえているか何度も確認されながら公判は進行した。
被告は1987(昭和62)年に妻と結婚。子どもに恵まれたが、生後間もなく死亡している。被告によれば、約40年間の夫婦生活のなかで暴力を振るったことは一度もないという。
事件直後、夫婦が住むアパートの近所の人に被告と妻について話を聞くと「仲がいい。夫婦で買い物に行ったりと普通の夫婦だった」という。
法廷で弁護人から「夫婦喧嘩はあったか」問われると──
「大きな喧嘩はない。口では私が負けるので言い返すことはなかった」
被告は、地元の建設会社に勤めていたものの倒産。退職金280万円を得たが、このうち200万円が返済で消えた。「妻の親戚の保証人をしており負債を被った」という。その後、別の建設会社で働くものの、約8年で再び倒産。
次にアルバイトで務めた会社では『墓石を立てる』などの肉体労働をしていたが、次第に仕事がなくなり、最後は月に3日ほどだったという。
2021(令和3)年2月頃、「体も弱くなった」と感じて退職。以来、夫婦の収入は2人の年金のみとなった。2か月に一度、被告には19万円、妻には14万円支給されていた。
■親族に借金を重ね 昼はカップラーメン
冒頭陳述によると、2014(平成26)年3月、被告人と妻は、佐世保市にある市営アパートに入居。
妻には高血圧症や気管支喘息などの持病があり、複数の医療機関に通院、薬の処方を受けていた。
妻は、血糖値の測定やインスリンの注射が自分でできず、いつも被告がやっていたという。
夫婦は、市営アパートの家賃や駐車場代のほか電気代も滞納。
アパートの管理会社からは「3か月払わない場合、出て行ってもらう」か「“保証人”に請求する」と通告された。
その“保証人”となっていた親族にはすでに借金があったという──
(略)
■“人命軽視” 懲役15年を求刑 弁護側「将来への絶望と介護疲れ」
論告弁論のなかで、検察は「殺傷能力の高い凶器で体の重要な部分を刺すなど犯行態様は極めて危険。殺意が強固で人命を軽視している。
2か月に1度の約33万円の年金収入と、預貯金が約9万円あるなか、滞納していた家賃は約5万8千円で、重大な経済的課題とはいえない。
自分勝手な理由で殺害に及んでおり、短絡的で強い非難に値する。
また妻が寝たきり状態になったのは事件5日前であり“介護疲れ”による犯行ではない」などとして懲役15年を求刑した。
一方、弁護側は「経済的な将来への不安と、妻の介助、自身の病気などで絶望して犯行に及んだ。犯行後は逃亡せず自首している。また犯行当時、被告は軽度認知障がいの状態だった」などとして「“介護疲れ”の事情を踏まえて量刑を決めるべき」と述べ「懲役3年、執行猶予付きの判決が相当」とした。
この裁判は裁判員裁判で行われており、判決は今月26日に言い渡される。
全文はソース先で
NBC長崎放送 2023年12月26日(火) 06:00
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/913296?display=1
引用元: ・「お父さん私を殺すとね」「すまん勘弁せろ」40年連れ添った74歳の妻を殺害 75歳男が語った後悔と孤独 長崎地裁 [ばーど★]
それで一日も早く死にたいって言ってるのか
ずいぶん甘えたジジイだな
俺の年金受取額みたら絶望しかないわ>>1
自分は未婚だけど妹は家庭持ってるから親には孫いるし、母親は犬と遊んでる父親は趣味で遊んでる
人生色々だなと思う、年末になると特に