【福島医大・斎藤博士研究員ら発表】「コロナ抗体増に特定抗体」

福島医大放射線健康管理学講座の斎藤宏章博士研究員（３３）は２６日、新型コロナウイルスワクチンの抗体の増加には、通常の風邪や黄色ブドウ球菌に対する抗体が関係している可能性があるとの研究結果を発表した。斎藤氏によると、新型コロナはワクチン接種が有効な対策だが、抗体の増加が見られにくい人がいることが知られている。ただ詳しい要因は分かっておらず、斎藤氏は、今回の研究結果がその解明につながる一歩としている。

斎藤氏らは、２回目のワクチンを接種した約９０日後の４７人の抗体と関係のある微生物の抗体を機械学習で特定した結果、通常の風邪や黄色ブドウ球菌の抗体が関係していることが分かった。黄色ブドウ球菌は、皮膚の表面にいるとされる。

また斎藤氏らは、ワクチンを２～３回接種する中で実施した４回の採血を解析した結果、ワクチン接種によって日常生活で接する新型コロナ以外の微生物抗体に変化はなかったことも分かった。

さらにオミクロン株以前の変異株に対する抗体は３回目の追加接種後に確認できたが、オミクロン株に対する抗体は確認できず、斎藤氏は「２価ワクチンの重要性を示す結果となった」としている。

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