【任天堂株､16年ぶり上場来高値】｢ゼルダ｣ 映画と新NISA効果

29日の東京株式市場で任天堂株が一時前日比256円（3.6%）高の7389円となり、株式分割後の実質的な上場来高値を更新した。更新は2007年以来16年ぶり。11月に人気ゲームシリーズ「ゼルダの伝説」の実写映画化を発表して以降、同社の知的財産（IP）関連事業に対する成長期待が高まっている。

24年からの新NISA（少額投資非課税制度）も株価の上昇に寄与した。

任天堂は22年10月に1株を10株とする株式分割を実施した。株式分割後を考慮したこれまでの上場来高値は07年11月につけた7320円だった。

29日の終値は253円高の7386円で、株式時価総額は9兆5921億円。任天堂の次世代ゲーム機の発表が近づいているとの観測も買いを誘った。

東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは「29日の任天堂株上昇の一番の要因は、新NISAを意識した個人投資家の先回り買い。ゲーム株が軒並み不調のなか、任天堂は足元の販売も堅調で好感されている。個人でも安心して買える銘柄になっている」と話す。

24年3月期の連結業績見通しは、売上高が前期比1%減の1兆5800億円、純利益は3%減の4200億円。

減益見通しだが、株式市場では「ニンテンドースイッチ」が販売8年目に近づく中で本業のゲーム事業が堅調に推移することを評価する声が少なくない。

4月に公開したマリオの映画はゲーム原作の映画としては過去最高の興行収入を記録した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF290NO0Z21C23A2000000/