橋爪:中国はひどい病気です。慢性疾患に急性疾患が重なって、寝たきりになっている。市民社会なら、政権は潰れますよ。選挙があるから。途上国なら軍のエリートが、クーデターで政権を乗っ取るところだ。でも中国ではそのメカニズムが、どちらも働かない。軍は共産党が首根っこを押さえていて絶対に動けない。
峯村:民衆の不満は確かに溜まっている。そして事態が急変した時の最後のストッパーになるのはおそらく軍ではありますが、その軍も完全に「習近平一色」になっている。昔の毛沢東の時代であれば、林彪(元党副主席)や劉少奇(元国家主席)とか、クーデターを起こしそうな人がいっぱいいた。でも今はいません。その理由のひとつが「デジタル・レーニン主義」(※中国共産党がデジタル技術を統治に活用する手法に付けられた言葉)です。中国全土に数億個と言われる顔認証カメラが配備されていて、「天網システム」と呼ばれている。約4秒で20億人の中から誰がどこにいるか特定できます。軍人が「今からクーデターやろう」と言った瞬間に察知されてしまう。
外相も国防相も替えが利く
橋爪:その軍ではロケット軍の司令官らや国防部長が解任された。外務部長も解任され、もう死んだという話もある。
峯村:国防相とロケット軍の司令官らはかなり深刻な汚職だと聞いている。前外相の秦剛は、不倫相手の元香港メディアの女性キャスターが米国で代理母の制度を使って子供を生んだ。
習近平政権が米国と対峙している時に、外交トップの国務委員で外相である秦剛の子供が米国籍を持ったことが問題視され、相当苛烈な取り調べを受けて自殺未遂を図ったと聞いている。
橋爪:この件で習近平体制はぐらつきますか?
峯村:そもそも外相の序列は高くなく、外交儀礼が主な業務であり、実際の外交政策は共産党が担っています。国防相は軍のオペレーションをやるわけではなく、対外的な役割をするもの。2人とも替えはすぐ利く。現にこの2人の後任はいません。それを考えると、習近平にとっては痛くも痒くもなかったんだと思います。
橋爪:日本政府は情報を精確に掴んでいますか。
峯村:日本にはしっかりした対外情報機関がないから対台湾、対中国インテリジェンスを取れていない。材料がなければ戦略も立てようがありません。(文中敬称略)
※週刊ポスト2024年1月12・19日号
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c8b2864fd110a0b9470e833810b026c60284adf?page=1
引用元: ・【2024年の中国予測】「内憂外患」に陥ってもクーデターが起きない現状 軍は完全に「習近平一色」[1/9] [昆虫図鑑★]
歴史的にクーデターがデフォの国だからな
なら青色でやろーぜ
シーレーンがあるから他人事ではない