生徒に対しセクハラ・わいせつ行為を行ったとして、東京都教育委員会が11月に懲戒免職処分とした葛飾区立の中学校に勤めていた20代の男性教諭が、行為発覚以降も処分までの1年以上にわたって担任などを務め、教壇に立ち続けていたことがわかった。
「急な担当替えなどがあれば、注目を集めかねない」との学校の判断だったが、保護者らから疑問の声が上がっている。
生徒らに謝罪
都教委の発表などによると、男性教諭は昨年6~8月にかけ、複数の女子生徒に対し体を触るなどの行為を行った。同年8月に学校に情報が寄せられ、発覚したという。
これを受け、学校側が男性教諭に聞き取りを行ったところ、男性教諭は体に触れたことなど事実関係をほぼ認め、保護者と生徒に謝罪したという。
この中学校の校長によると、行為発覚当時、男性教諭は学級の担任を務めていた。
しかし、担任を外すなど、生徒から遠ざけることはせずに、男性教諭が授業以外で個別に生徒と関わる場合は1対1にならないよう別の教諭を必ず入れるなどの対策を取ったという。
翌年度は担任を持たなかったが、別学年の副担任に就いた。受け持っている授業については、これまで通りに続けていたという。
「対応、甘い部分も」
11月に入り、都教委が男性教諭を懲戒免職処分とした後、学校は、全学年を対象に緊急の保護者会を開催し、事案の経緯などについて初めて説明した。
保護者からは「法律で裁かれなければいけないようなことをしているのに、こんな対応を取るのは理解できないし、残念」「副担任にしたことなどはおかしい。不信感は大きい」などと批判の声が上がったという。
ある保護者は取材に対し「学校にいれば被害生徒と加害教諭が顔を合わせることもある。色々な事情はあったと思うが、すぐに異動させるなどの措置を取るべきだったのでは」と憤った。
校長は取材に対し、「担任を外したり、閑職に追いやったりすれば、何があったのかを詮索されてしまうと思った」と説明した上で、「今振り返ると、対応が甘い部分があった。反省している」と話した。
調査中の規定なし
都内の公立学校の教員は都が採用しているが、各区市町村の公立学校の指導・助言は地元の教委が担う。
そのため、教職員の問題行為などが発覚した場合は、学校の事実関係の調査の報告はまず地元教委に上げられ、さらに都教委が調査を行って最終判断する。
ただ、問題行為を起こした本人については、調査期間中の取り扱いの規定はない。
今回のような事案の場合は、調査が慎重になって時間がかかることも多く、都内の他の教委では「事案によるが、(今回のようなケースであれば)疑いがあった時点で教壇には立たせない」(足立区)などの措置を取るところもある。
葛飾区教委指導室の谷合みやこ室長は今回の対応について、「事案があったかどうかについても回答できない」とした。
その上で、一般論として「すぐに事実確定するのは難しく、教員を職務から外すといったルールを設けてしまうと学校運営に支障が出かねない」などと話した。
引用元: ・【中学教師】複数の女子生徒にわいせつ行為 発覚後も1年以上担任続ける 校長「担任を外せば詮索されてしまう」と説明 [鬼瓦権蔵★]