この会合では0.5%の利上げを決定し、利上げ幅を4会合連続で続いた0.75%から圧縮した。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は4.25~4.5%になった。同時に公表した経済見通しの中央値ではこの水準が23年末時点で5.1%となり、9月に示した前回見通しの4.6%から上方修正された。
多くの参加者が「これまでの金融引き締めの累積効果と、実体経済に波及するまでの時間差を考慮することが適切」と述べ、利上げペースを落として政策金利の到達点を見極める姿勢を示した。
金融環境の「不当な緩和」に懸念
参加者は利上げの減速によって、引き締め姿勢が緩んだとみられることを警戒している。先行きの利下げ転換を見通した長期金利の低下によって、引き締め効果が薄まってしまうためだ。参加者は「金融環境が不当に緩和されれば、物価安定を回復するための努力を複雑にしてしまう」と懸念を示した。
何人かの参加者は「これまでの歴史は、早期に金融環境を緩めるべきではないと戒めている」と改めて早期の利下げ転換を否定した。「23年中の利下げを想定する参加者は1人もいなかった」と明記した。今後の利上げペースについてはほとんどの参加者が柔軟性を持って会合ごとに判断すべきだと主張した。
急ピッチの利上げペースを鈍らせたのは高インフレが沈静化する見通しが立ったためではなく、政策金利が十分に引き締まった水準に近づいたためだ。実際に経済見通しでは23年末の米個人消費支出(PCE)物価上昇率がエネルギーや食品を除いたベースで3.5%と、前回見通しの3.1%から上方修正された。
多くの参加者が「景気悪化リスク」を指摘
参加者は「労働市場の逼迫が長引けば、物価の上昇圧力は想定を超えて根強くなる可能性がある」と指摘した。22年11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比での上昇率が7.1%と5カ月連続で鈍った。特に10月以降は市場予想を下回る水準が続いている。市場では高インフレの沈静化に楽観的な声が増えているが、FOMCはより慎重な見方を示した。
23年の経済成長率見通しは中央値が0.5%と、翌年度見通しとしては異例の低さになった。FOMC参加者のうち2人はマイナス成長を予想している。議事要旨では多くの参加者が景気の先行きについてさらに悪化するリスクがあると強調した。「予期しない経済ショックで景気後退に陥る可能性」についても言及があった。
日本経済新聞 2023年1月5日 4:04 (2023年1月5日 6:13更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN033AI0T00C23A1000000/
引用元: ・【米FRB】12月FOMC要旨、高インフレ「想定より根強い可能性」 [蚤の市★]
だってここにスレが立ったのですもの