送水トンネルは延長約14.3kmで、広島県の海田町と呉市を結ぶ。最小内径は約2.2m。06年に広島県営水道の送水トンネルが崩落して給水が止まった事故を踏まえ、既存トンネルの他に送水ルートを確保するのが狙いだ。
工事は、海田~矢野と矢野~二河の2工区に分かれる。施工者は前者が前田建設工業・日本国土開発・河井建設工業JVで、後者が戸田建設・錦建設・洋伸建設JVだ。
湧水量が増えたのは海田~矢野工区。16年12月に工事に着手し、TBM(トンネル・ボーリング・マシン)で掘り進めた。
広島県企業局水道課の担当者は「平谷地区周辺では、送水トンネルの新設以外に大規模な工事は実施していない。トンネル工事による湧水の発生で井戸の水が枯れた可能性が高い」と話す。
一般的に、トンネルの掘削距離が長くなるほど集水範囲が拡大し、湧水量が増える。海田~矢野工区では、21年6月時点で1時間当たり60tほどだった湧水量が、翌7月には約100tと急増した。このときの掘削距離は約3.5kmで、平谷地区までの距離は約1.1kmだった。現在も同程度の湧水量で推移している。
県によると、1時間当たり100tほどの湧水は想定内で、排水能力を上回らない。そのため、薬液注入などで止水せずに工事を進めている。ただ、平谷地区の周辺で湧水量が急増するとは想定していなかった。掘削前にボーリング調査などを実施していたものの、延長が長い工事で地中の状況を正確に把握するのは難しいという。
※以下有料会員限定記事
ソース/日経XTECH
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/01501/
引用元: ・【広島】トンネル工事の出水で井戸枯れか、異変相次ぐ 事前のボーリング調査では湧水量の把握は困難 [あずささん★]
↓