そのような中、同感染症による超過死亡について、地理的な相違や要因を解析した研究論文が、欧州の地域保健に関する学術誌に、24年7月3日付で掲載されました。
この研究では、欧州地域の29カ国を対象に、20~23年における同感染症のパンデミックの状況と、超過死亡が分析されています。
本研究における超過死亡とは、感染症のパンデミック以前に観察された死亡率に対して、パンデミックが発生したことで死亡率が、どれほど超過していたかを意味する指標です。
解析の結果、29カ国全体の超過死亡は、4年間の調査期間中に164万2586人と見積もられました。これは、パンデミックが発生しなかった場合と比べて死亡率が8%増加したことを意味します。
超過死亡者数が最も多く観察された国はイタリアで22万7736人、超過死亡率が最も上昇した国はブルガリアで17.2%増でした。特に、東欧諸国に在住している人や貧困層で高い超過死亡率が観察されました。
一方で、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた人の割合が高いことは、超過死亡率の減少と関連していました。
論文著者らは「パンデミックの影響を軽減するためには、社会経済的な不平等に対処し、医療制度を強化し、ワクチン接種率を高めることが重要である」と結論しています。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/health/363804#:~:text=%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A
2020~2023年における欧州における総超過死亡率と地域格差に対するCOVID-19の影響
https://www.thelancet.com/journals/lanepe/article/PIIS2666-7762(24)00163-7/fulltext
相対的に超過が最も多かったのはブルガリア(72,328人、+17.2%)、リトアニア(23,813人、+16.1%)、スロバキア(31,984人、+14.9%)であった。
2021年末までに、ほとんどの欧州諸国で人口の約60%が最初のCOVID-19ワクチン接種プロトコルを完了した。
しかし、一部の中央および南ヨーロッパ諸国では接種率が低く、東側諸国ではレベルがかなり低いままで、ルーマニアとブルガリアのワクチン接種率が最も低かった(それぞれ26%と18%)。
ワクチン接種率の低い国では、パンデミックの間中、死亡率の超過は一貫して高く、特にシーズン中盤に周期的なピークが観察された。
引用元: ・【2020~2023年における欧州地域の29カ国の超過死亡を分析】東欧諸国に在住している人や貧困層で高い超過死亡率、コロナワクチン接種が死亡率減少と関連 「ワクチン接種率を高めることが重要である」