だがここで私が指摘したいのは、「フジテレビ問題」の根源だ。今回はフジテレビ内で社員にタレント接待を強制させる悪弊が問題視されている。
そこには、90年代の全盛期から何ら変わることのない企業文化がうかがえる。そうなるのは当然で、フジテレビはそもそも90年代からまったく体制が変わっていない。ガバナンスがないも同然で経営が体を成していないことがすべての問題の底流にある。
問題は売上高に顕著に出ている。フジテレビは2000年代まで長年にわたり売上高が断然トップだった。テレビ業界がフジテレビの圧倒的一強であることはよく知られていた。他局は争うより素直に負けを認め、リスペクトさえ表明していた。
ところが2011年に視聴率三冠王(期間中6〜24時、19〜22時、19〜23時のすべての平均視聴率がトップになること)の座を日本テレビに奪われてから状況が変わってきた。それまでは三冠王を日本テレビに取られても売上高では圧勝し続けていたのが、2010年代はみるみる下がっていった。時代の変化に何ら対応しなかった経営不在の表れだ。
(略)
だがそれでもフジテレビは何も変えなかったし、「経営」に取り組もうともしなかった。社長は数年置きに次々代わって、業績ダウンの責任を取ったようで実は、80〜90年代の黄金時代を築いた世代で回していただけだった。
変わらなかったのは当然で、本当のトップの座は同じ人物が占めてきた。現在は相談役に退いたように見える日枝久氏が君臨し続けている。
日枝氏は、1980年代のフジテレビの大躍進に、創業一族の鹿内春雄氏を支え貢献した。そして早世した春雄氏に代わった義弟の宏明氏がワンマン経営に走るとクーデターを起こして実権を握った。その後もフジテレビの断トツポジションを築いたことには功績があると言っていいだろう。
だが2000年代以降、市場環境が変化したことにあまりにも鈍感だった。そればかりか、宏明氏同様のワンマン経営に走り、「院政」を強いて人事権を手放さなかった。社長に選ぶのは過去に功績があるものの経営手腕には疑問な人物ばかり。
2021年にフジテレビの社長になった金光修氏は経営手腕があると期待されていたがなぜか2022年に交替し、そのあとで社長に就いたのが港浩一氏だ。「夕焼けニャンニャン」でディレクターを務め、「とんねるずのみなさんのおかげです」をヒットに導いた制作者だが、経営者としては当初から疑問視されていた。
引用元: ・「フジテレビ問題」の根源は”経営不在”にある 2010年代から「一人負け」に陥ってしまった [ネギうどん★]
カトパンなんて凄い働いたぞ