久々に入れた店の中は、冷え込んだ日にもかかわらず蒸し暑かった。25人ほどで満席になる店内はインバウンド客でびっしり。その熱気で暖房がいらないほどだ。昭和感満載のレトロな店内から窓の外を見ると、さらに入店待ちの行列が伸びていた。「ほとんど外国の観光客だよ。早いと朝6時から並んでいるんだから、びっくりだよ」とマスター。開店より2~3時間早く待っているという。「もう慣れたけどさ。窓から見て、あそこの電信柱の所まで並んでいたら、待ちはだいたい45人と見当がつくようになった」とひっきりなしに手を動かす。
行列ができるようになったのは、外国人観光客たちのSNSだ。来店した客がSNSにアップした写真や動画が拡散され、続々と外国人客が訪れるようになった。「前は外国人といえば仕事で日本にきたビジネス客。今は世界各国どこからでもやってくる」というマスターに、女性の2人組が「Can I take a photo?(写真を撮ってもいい?)」と尋ねる。マスターは笑顔を見せて「OK」と、2人と一緒にカメラのフレームに収まり、最高の笑顔を見せた。なかなかシャッターを切らない客には「早く早く、待ってらんないよ」と催促。「こっちは時間との勝負なんだからさ。いちいち客に合わせていらんないよ。だって1日150枚だよ」とうんざりした顔をする。一緒に写真を撮りたがる客が1日平均150組いるのだ。
「それがまたSNSで拡散されるんだから、たまったもんじゃない。休みも取れやしない」(マスター)。写真を撮り終えた客が「トルコから来た」と片言の日本語で言うと、「トルコ!遠い所からありがとーね」とにこやかに送り出すが、「トルコも珍しくない。50か国以上から来てるんだ。アメリカ人なんてもう日本人並みにいる感覚だね」という。中には面倒な客もいるらしく、「そういう客には帰れってはっきり言う。もう来るなってね。客商売だからって我慢はしない。言いたいことは言う、このスタイルで長年やってきたからこれでいい」というが、「もう来るなと言った客ほど、次の日にまたやってくる。店に入ってきて席に座るから、出てけ!って言うんだが、『今座ったばかりなので』と出ていかない、おかしなもんだよ」と笑う。
そんな話をしていた後ろで、3人組の外国人客が会計をしようとして「ドルしかない」と言い出した。マスターはすかさず「コンビニで日本円をおろしてきて」と客にいう。レトロな店だけに、カードは使えずオンライン決済もない。支払いは現金のみだ。3人組は「わかった。明日持ってくる」と言って、席を立って出て行った。マスターは「たぶんドロンだと」と左手の人差し指を立てて右手で握り、その右手の人差し指も立てる忍者の隠遁術のポーズを見せた。
“払いに戻ってこないのか”と聞くと、「十中八九、戻ってこないね」とマスター。「ドルしか持ってない、という客が1日に何人もいるんだよ。観光客だからさ、その時に払えなきゃ仕方がないとでも思ってんだろうよ。こっちもいちいち気にしちゃいらんねえ。この商売も長くやっていると、細かいことを気にしてたらやってらんねえからよ」と珈琲を淹れながら肩をすくめた。
引用元: ・【トラブル】インバウンド客が行列をつくる「レトロな喫茶店」…「ドルしかない」客に「コンビニでおろしてきて」と伝えても「十中八九、戻ってこない」
円で貰うより儲かりそ
それなりの対策取らないといけないだろ。
先払いにするとか食券制にするとかすれば
解決する話。
冬山に半袖で登って寒いとか言ってるように見えるわ。
ドルだろうがユーロだろうが元だろうがその場でちょい交換手数料上乗せして商売したら良いのに
スマホでレートわかるだろうに
儲けるチャンス逃すなんて商売人としていかがなものなの?