しかし、増え続ける「外国人の隣人」に、誤解や不安を抱いている人もまだいるのが実情だ。そこで本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する人に話を聞き、それぞれの暮らしの実際に迫る。
第2回は、前編「最初のバイトはヤマト」ベトナム留学生のリアルに引き続き、東京の大学に通うベトナム人留学生2人にお話を聞いた。■もしあと週2時間多く働けたら…
ベトナム人の留学生はよほど裕福な家庭の子でもなければ、日本では誰かと一緒に住むのが普通なのだとか。もちろん家賃を少しでも安く上げるためだ。日本語学校が持つ格安の寮という人も多い。
リンさんは「彼氏と別れたばかりの友達と」マンションで暮らす。ハさんはシェアハウスだ。
「敷金や礼金がいらないし、冷蔵庫とかの家具もあるから買わなくていいし、電気代やwifiが無料のところもあるんですよ」
そうして少しでも節約し、アルバイトで生活費を稼いで学校に通う。昔の日本の苦学生のようだ。
留学生アルバイトに週28時間の制限がなければ、もう少し余裕のある暮らしができるのに、とリンさんは言う。
「もしあと週2時間多く働けたら、1カ月で8時間、1万円くらい増える。だいぶ違います」
本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する方を対象に、取材にご協力いただける方を募集しています。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
「でも、そしたら税金が増えるよ……」
ハさんがぼやく。アルバイトの彼女たちも当たり前だが、収入に応じた税金や各種保険を支払っている。もし払わなかったら在留資格の更新に支障が出る。週28時間を超えて働いていることが発覚しても同様だ。日本には学びに来ているのであって、留学生は働くことが本分ではないという国のタテマエは最もだろう。だからアルバイトできる時間に制限を設けてある。
一方で、厚生労働省が発表している外国人労働者数の統計では、「留学生」もカウントされているのである。この国の政府は留学生を「労働者」とみなしているのだから、もう少し緩和してもいいのではないかとも思うのだ。
外国人が社会を支えている状況についてどう思うのか、2人に聞いてみた。するとリンさんが口を開いた。
「ありがたいです。本当にありがたいと思う。まだ日本語がそれほどわからないときでも採用してもらったこともあるし、職場の日本人から差別されたこともない」
人手不足だから外国人でも働く場所があることに感謝しつつも「でも」とリンさんは続ける。
「もしなにか間違ったことをしてしまったら、ちゃんと教えてほしい」
ミスをはっきり指摘せずに黙ったまま、イライラを抱えてそれを態度に出す人もいる。日本人の悪いクセだ。そうではなく、すぐにその場で指摘してくれたほうが、お互い気分よく働ける。
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■「またグエンか」という日本人の声も、よく知っている
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その技能実習生による犯罪が、昨今どうしても目立つ。盗難、ケンカ、バクチ、無免許運転……職場から失踪し、不法就労者となって、割りはいいがリスクも高い「闇バイト」に手を出す人も多い。
法務省の「犯罪白書」によれば、2023年に外国人が被疑者となった事件1万7463件のうち37.9%がベトナム人で、中国の18.9%を大きく引き離す。しかしその大半は不法就労、オーバーステイといった出稼ぎ目的のものか、窃盗など比較的重くはない罪状だ。
しかし外国人による犯罪は報道されやすい傾向にあるし、それもセンセーショナルにあおり立てるものが多いから、どうしたって日本人の肌感覚では「またベトナム人か」となる。
「またグエンか、って言われると……」
リンさんの声は悲しげだ。日本のルールやマナーをしっかり守り、日本語をこれだけ使いこなせるようになるまで学び、日本に溶け込もうと努力している彼女たちも一緒くたにされてしまう。ベトナム人に多い名前「グエン」が、一部の日本人の間でまるで蔑称のように使われている現状を、リンさんたちもよく知っている。
「確かにベトナム人には悪いことをする人もいます。でも、そうなった背景も考えてほしいって思うんです。私の知り合いの実習生は給料が手取りで10万円って言ってました。悪い送り出し機関にだまされて、契約書には手取り15万円って書いてあったのに実際に日本に来てみたらもらったのは半分だけでショックを受けたって話も聞いたことがあります」
以下全文はソース先で
東洋経済 2025/06/03 5:35
https://toyokeizai.net/articles/-/881034
引用元: ・「またグエンかって言われると…」「あと週2時間多く働けたら…」ベトナム人女子留学生が漏らす”日本での暮らし”の本音 [6/3] [ばーど★]
>もらったのは半分だけでショックを受けたって話も聞いたことがありますそれは日本のせいではないので
自国の悪い送り出し機関を吊し上げるべき

