善光寺・びんずる様盗難、一瞬の隙　朝の法要後、人が少なくなり

寺関係者によると、5日は早朝から像の置かれていた本堂が開かれ、参拝者の出入りがあった。防犯カメラの映像には、朝の法要「お朝事」が終わり、参拝者が少なくなったタイミングで、1人で像を抱えて運ぶ人物が映っていたという。像は台の座布団の上に置かれており、固定はされていなかった。参拝していた長野市の女性（75）は「まさかあんなに大きな像を持って行く人がいるとは思わない。信じられない」と驚いた様子だった。

「触れられる」環境を維持
今後、びんずる尊者像が戻ってくるが、林明晋寺務総長は「像に触った部位を治す信仰がある。普通に触れるように安置したい」。別の寺関係者も「開かれた寺としてやってきた。信頼を大事にしていきたい」と話し、防犯体制を見直した上で、これまでと同様に参拝者が触れることができる環境を整備するという。【鈴木英世】

毎日新聞　2023/4/5 19:55（最終更新 4/5 19:56）
https://mainichi.jp/articles/20230405/k00/00m/040/293000c