ＦＲＢパウエル議長、必要なら追加利上げの考え…「十分金融引き締め的か確信していない」

【ワシントン＝田中宏幸】米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長は９日、国際通貨基金（ＩＭＦ）のイベントで講演した。インフレ（物価上昇）抑制に向けて「十分金融引き締め的なスタンスを達成できたと確信しているわけではない」と述べ、必要であれば追加利上げに動く考えを改めて示した。

パウエル氏は、「インフレ率はこの１年で低下したが、依然としてＦＲＢが目標とするインフレ率２％を大きく上回っている」と説明。その上で、金融政策をさらに引き締めることが適切と判断した場合には、「私たちは 躊躇 するつもりはない」と強調した。

ＦＲＢは記録的なインフレの抑制を目指して異例のペースで利上げを進め、政策金利となるフェデラル・ファンド金利の誘導目標は年５・２５〜５・５０％と約２２年ぶりの高水準となっている。９月の米消費者物価指数（ＣＰＩ）の上昇率は前年同月比３・７％と昨年夏のピーク時から低下したが、インフレが再燃するリスクもある。

今後の政策判断について、パウエル氏は引き締め不足と引き締め過ぎの両方のリスクに対処するため、慎重に経済動向を見極めて政策を決定する考えを示した。

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