民法には、夫婦には同居・協力・扶助の義務があると書かれていますが、性行為については条文がありません。ただ、それをもって性行為の義務がないとは断言できない、というのがこれまでの状況でした。数は少ないながら、配偶者との性行為の不在が「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるとして、離婚を認めた裁判例があるからです。
民法は、裁判官が柔軟に判断できるように抽象的に書かれています。実質的には、結婚をめぐる社会通念に照らし合わせて判断されてきました。これまで、法学者も裁判官も「夫婦は性行為をするものだ」という考えを前提としており、過去の裁判例も多くはそうした考えに基づいていました。
ですが、同意なき性行為を明確に犯罪化した刑法改正などで「夫婦間でも性的同意が大事」な時代になりました。今後の離婚訴訟では、性行為に応じたくないという意思表明は尊重されるべきで、拒否しただけで有責とされるべきではないと私は考えています。裁判官も、それ以外の夫婦のやりとりや背景も考慮しつつ、さまざまな夫婦の事情を総合的に判断するため、性行為の拒絶だけをもって離婚を認めることはないだろうと思います。
朝日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/ebaf8b2cd82922e3f345b87800356dc839b763d7
COMMENTARY解説
「拒否しただけで有責とされるべきではない」と大島梨沙教授。
拒否を我慢してきた側には心強く、求める側には居心地が悪い話だ。
今後の判例の積み重ねが分かれ目になりそうだ。
民法には性行為の義務を定めた条文はなく、これまでは社会通念に基づき裁判官が柔軟に判断してきたという経緯が記事にある。きっかけとなった具体的な訴訟や当事者の事情は記事になく、どの裁判例を指すかも分からない。今後、拒否だけで有責とされないという考え方が実際の判決に反映されるかが次の焦点になる。夫婦の義務論を持ち出して相手に迫ってきた側にとっては、前提が揺らぐ話だ。
VOICESネットの声
没交渉が離婚事由になる場合もある
といったところでしょう
場合によっては妻から慰謝料も取れる
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