日本の防衛費は、2022年末に決めた現行の安保3文書で、関連経費を含め、5年間にGDP比で1%から2%に増やす目標が定められた。安保環境の変化に対応を迫られたとはいえ、必要性や費用対効果を吟味して積み上げたというより、米国の要求を踏まえて、規模ありきで決めたのが実態だった。
今回の安保3文書では、トランプ米政権が同盟国に3・5%、関連経費を含めると5%水準を求めていることから、新たな数値目標の設定が焦点のひとつとなっている。
日本が3・5%にした場合、年間の必要額は20兆円超となり、現状の2倍を超す。財源を賄うには増税に触れざるをえない。政府としては、GDP比の目標は避けつつ、関連経費を含めた防衛費を大幅に増額することで米側の理解を得たい考えのようだ。
米側の要求をただ受け入れるのではなく、主体的に検討するならいいが、増額ありきで、必要性の精査や財源の確保が後回しになることを繰り返してはならない。
国の防衛力を支えるのは、経済力を始めとする総合的な国力だ。中国はGDPも国防費も日本の4倍以上ある。対抗して防衛費を増やすのには、おのずと限界がある。
財政の制約も重い。日本の国・地方などを合わせた総債務残高はGDP比で200%を超える。国防費のGDP比3・5%を決めたドイツは60%台であり、財政の余力に格段の違いがある。
政府は、経済安全保障やAI(人工知能)、宇宙分野などの支出を「総合的な安保関連経費」に算入することを検討しているという。22年に関連経費とした研究開発、公共インフラ、サイバー、国際協力の4分野を拡大する案だ。安保を理由にして、必要性や費用対効果の見極めが甘くなることがあってはならない。増額を米国向けにアピールする狙いなら、別な形の数字合わせになりかねない。
装備の取得費を増やせば、それだけで防衛力が強まるわけではない。人口減少が進む中、自衛官や高度な技術を担う人材をどう確保するのか。外交を含めた、総合的な戦略をどう進めるのか。内外の情勢を冷徹に見据えた、持続可能な計画こそが求められる。
朝日新聞社説 2026年10月25日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S16574044.html
VOICESネットの声
5ch: ・【朝日新聞社説】防衛費の増額、身の丈超す拡大を危惧 中国はGDPも国防費も日本の4倍以上、限界がある [10/27]
ネトウヨの妄想だろ?
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