総延長が世界６位の日本の海岸線、ドローンやＡＩで画像分析…防災利用へ自治体と連携

政府は、日本各地で広がる海岸浸食を食い止めるため、２０２４年度から人工衛星やドローンが撮影した画像をＡＩ（人工知能）で分析する観測システムの導入に乗り出す。砂浜の保全は水害などを防ぐ防災対策としても重要なことから、海岸を管理する都道府県と連携し、海岸線の監視強化につなげたい考えだ。

観測システム開発は、政府が７月に閣議決定した防災・減災対策の指針「国土 強靱きょうじん 化基本計画」に明記されており、２４年度中に一部地域で先行的に運用し、２６年度中をメドに全国での実用化を目指す。国土交通省が２４年度の概算要求に関連経費を盛り込んだ。

国の「海岸統計」によると、日本の海岸線の総延長は約３万５０００キロ。島国で入り組んだ特徴を持つことから世界６位となっている。温暖化による海面上昇の影響などで全国的に海岸浸食が進行しており、定期的な観測・管理の必要性が高まる一方、海岸線が長いことで人手や費用の面で限界があるのが現状だ。

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