【CNN】日本の高齢者は孤独で苦しんでいる…刑務所に入ることを選択する女性もいる

【元記事】CNN
ジェシー・ヤン、ハナコ・モンゴメリー、小倉純子
2025年1月18日（土）午後8時20分（東部標準時）公開
https://www.cnn.com/2025/01/18/asia/japan-elderly-largest-womens-prison-intl-hnk-dst/index.html

部屋には、手にしわが寄り、背中を曲げた高齢の入居者でいっぱいだ。
彼らは廊下をゆっくりとよろよろと歩いており、中には歩行器を使用している人もいる。職員は、彼らの入浴、食事、歩行、服薬を手伝う。

しかし、ここは老人ホームではなく、日本最大の女子刑務所だ。ここの人口は外の社会の高齢化を反映しており、看守によると高齢の受刑者の中には孤独感があまりに深刻で、刑務所に留まることを望む者もいるという。

「（できれば）月に２～３万円（１３０～１９０ドル）払って、ここでずっと暮らしたいと言う人もいる」と
東京北部にある茨城女子刑務所の刑務官、白永孝好氏は９月、ＣＮＮの取材に応じた極めて異例の訪問で語った。

刑務所の淡いピンク色の壁と妙に静かな廊下で、CNNは、短い白髪とシミだらけの手を持つ81歳の受刑者アキヨさんに会った。彼女は食品の万引きで服役中だった。

「この刑務所には非常に良い人たちがいます」と、CNNがプライバシー保護のため仮名で紹介しているアキヨさんは言う。「おそらく、私にとってはこの生活が一番安定しているのでしょう」

茨城の女性たちは刑務所内で暮らし、刑務所内の工場で働かなければならないが、それがうまくいっている人もいる。

施設内では、定期的な食事、無料の医療、高齢者介護が受けられるほか、外では得られない仲間との交流も得られる。

受刑者の一人、ヨーコさん（51歳）は、過去25年間に麻◯関連の罪で5回投獄されている。
ヨーコさんが刑務所に戻るたびに、受刑者の高齢化が進んでいるようだとヨーコさんは言う。

「（中には）わざと悪いことをして捕まる人もいる。お金がなくなったらまた刑務所に来られるようにするためだ」と、プライバシー保護のためCNNが仮名で紹介しているヨーコ氏は語った。

【中略】

窃盗は高齢受刑者、特に女性受刑者による最も一般的な犯罪である。政府の統計によると、2022年には全国の高齢女性受刑者の80％以上が窃盗で投獄されていた。

生きるためにそうする人もいる。OECDによると 、日本では65歳以上の人の20％が貧困状態にあるが、OECD加盟38カ国の平均は14.2％だ。外の世界にはほとんど何も残っていないためにそうする人もいる。

「寒いからとか、お腹が空いたからとかいう理由でここに来る人もいる」と刑務官の白永さんは言う。

病気になった人は「刑務所にいる間は無料で治療を受けられるが、出所後は自分で支払わなければならないので、できるだけ長くここにいたいと思う人もいる」