【臓器あっせん逮捕】臓器の海外仲介２０年野放し、団体は国内に複数存在…法の不備を国会で議論へ

臓器移植あっせん逮捕＜上＞
海外での臓器移植を無許可であっせんした疑いでＮＰＯ法人が警視庁に摘発された事件を受け、国会で臓器移植法の見直しに向けた議論が始まる。不透明なあっせんを野放しにしてきた背景に、法の不備や、国内の臓器提供数の少なさがある。厚生労働省も海外移植の実態調査に乗り出す。

「あっせん業者の不透明な活動を放置するわけにはいかない」。臓器移植に関する自民党の議員連盟で事務局長を務める三ツ林裕巳衆院議員（６７）は２月中旬、取材にそう話した。議連は近く、法の見直しを視野に入れた議論を始める。

日本維新の会は２０日に衆院予算委員会の分科会で質問を行う予定で、同党の池下卓議員（４７）は「立法の不作為が招いた事件だ。次は国会が動かなければならない」と語った。

警視庁がＮＰＯ法人「難病患者支援の会」（東京）理事長の菊池 仁達ひろみち 容疑者（６２）を臓器移植法違反容疑で逮捕したのは今月７日だった。国の許可を得ずベラルーシでの肝臓移植を日本人患者にあっせんした疑いで、同９日に発表された。

１９９７年の同法制定以来、無許可あっせん容疑での摘発は初めて。警視庁は肝臓移植を受けた男性がその後死亡していたことや、ＮＰＯが各患者から約１８００万～８５００万円の高額な費用を受け取っていた点などを重視した。

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