『ウルトラセブン』のヒロイン「友里アンヌ」隊員は、ウルトラ警備隊の隊員という立場上、作品内では何度も宇宙人に襲われ、立ち向かってきました。たとえば、第6話「ダーク・ゾーン」に登場する「ペガッサ星人」が、鏡台に座るアンヌの背後に立っている写真はあまりにも有名です（ちなみにこのシーンは本編には登場しません。）
やや大人向けに作られた『ウルトラセブン』に登場する宇宙人は、どれも魅力的ですが、不気味さも内包しています。そのなかでも、アンヌを演じたひし美ゆり子さんが、本当に怖かった宇宙人は何星人なのでしょうか。慶應義塾の機関誌「三田評論」のオンライン版での「三人閑談」のなかで、ひし美さんは「私、あの星人が一番怖かった。」と、ある宇宙人の名前を出しています。
その名はずばり、「キュラソ星人」です。いきなり名前を言われても、ピンとこないかもしれません。特撮ファン以外からすれば、ややマイナーな宇宙人であることは確かです。
第7話「宇宙囚人303」に登場したキュラソ星人は、『ウルトラセブン』全体を通してもイレギュラーな存在だったといえます。というのも、このキュラソ星人は、他の回の宇宙人と違い、侵略を目的としていません。彼は、母星キュラソで重罪を犯した脱獄犯なのです。母星の連邦警察からも「発見次第殺害されたし」と、要請されている極悪人でした。
このキュラソ星人は、地球でもなりふりかまわず、殺人を繰り返します。この回の「クライムサスペンス」的な描写は結構生々しく、キュラソ星人が立ち寄ったガソリンスタンドの店員や客を素手で絞殺するシーンは、少年少女からすれば恐怖そのものでした。改めて観直してみれば、このキュラソ星人は作中で8人も殺害しているではありませんか。
それに、あのコンクリートを引き延ばしたような相貌と、左右に揺れる飛び出した目玉というビジュアルも、また『セブン』に登場する宇宙人のなかでも、いやシリーズ全体を通しても、トップクラスの恐さではないでしょうか。ひし美ゆり子さんだけでなく、キュラソ星人が恐ろしかったという人は多いでしょう。
なお、逆にひし美ゆり子さんが「一番愛着がある」と語っているのは、前述のペガッサ星人です。理由は「走り方がかわいい」からとのことでした。
出典：慶應義塾機関誌「三田評論」オンライン版の「三人閑談（ひし美ゆり子さん、碓井広義さん、桑畑幸博さんによるトーク）」より
引用元: ・【ウルトラマン】アンヌ「あの星人が一番怖かった」 侵略者でもないいちばんヤバい宇宙人とは [ネギうどん★]
