【メディア出演のクルド人が覚醒剤所持で逮捕】「同じクルド人として一緒にしてほしくない」…川口市在住の同胞が語る被告の「裏の顔」

これまで国を複数回提訴し、多くのメディアに出演していた”有名クルド人”は、一体どこで道を踏み外したのか――。

産経新聞は6月11日、トルコ国籍のクルド人、デニズ・イェンギン被告（46歳）が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕、起訴されたと報じた。同被告は新宿区の路上で、覚せい剤1袋を所持していたという。

デニズ被告を知るクルド人は、今回の逮捕を受けて何を思うのか。取材を進めていくと、これまでメディアに報じられなかった”裏の顔”が明らかになった。

「白い粉を外国人から見せられた」と110番通報が

「デニズがシ◯ブで捕まったのはX（旧ツイッター）で見たよ。だけど、あいつはもう私たちのコミュニティとは関係ない。10年以上前に、川口にいられなくなって東京に行ったんだ。正直、同じクルド人として一緒にしてほしくないよ」

一時期、デニズ被告と同じ解体業者で働いていたという川口在住のクルド人男性は、今回の事件を受けてそう語った。

事件が起きたのは、新宿・歌舞伎町近くの路上。産経新聞によると、5月12日に「白い粉を外国人から見せられた」との通報を受けて、警察官が駆け付けたところ、都内の無職、デニズ・イェンギン被告（46歳）を発見。所持品検査で覚せい剤1袋を所持していたため、現行犯逮捕したという。

「デニズ被告は警視庁の取り調べに対し、『これは私のものじゃない』『あなたたちの罠だ』などと話した後、黙秘を貫いています。6月2日には覚せい剤取締法違反罪で起訴されました」（捜査関係者）

2007年に来日したデニズ被告は、複数回にわたって難民申請しているが、いずれも不認定。2011年に日本人女性と結婚したものの、配偶者ビザは取得できていない。これまで入管施設への収容と、収容を一時的に解かれた「仮放免」を繰り返してきた。

そうした入管施設での収容生活を巡って、何度も国を提訴しており、たびたびメディアにも出演していたことから”有名人”として知られていた。

「デニズ被告が一躍注目を浴びたのは、茨城県牛久市にある入管施設に収容中に、同職員から暴◯を受けたとして、国に約1113万円の損害賠償を求めた裁判でした。この際、警備官の1人がデニズ被告のあごの下の痛点を強く押し込んだり、後ろ手に手錠をかけた腕を持ち上げたりしたことについて、裁判所は『合理性を欠く判断』と指摘。

判決では、デニズ被告に対する制圧行為の一部が『必要な限度を超えて違法だった』と認められ、国に22万円の賠償を命じました」（全国紙社会部記者）

デニズ被告の「リアルな評判」

判決を受けて、都内で記者会見したデニズ被告は、「（入管の収容は）まったく人間扱いされていない。私たちは拷問されるために施設に入れられるのでしょうか」と主張。それ以降も、たびたびメディアに出演して、入管に異議を唱えていた。

（中略）

クルド人が恐れる「風評被害」

その一方で、川口市の関係者は「デニズはクルド人問題に関して顔出しでメディアに出てくれるし、入管法改正に関しても積極的に訴えかけていた。愛想も良いから、支援団体の人たちからは好かれていた」と語る。

だが、前出のクルド人男性（40代）は、今後の自分たちに対する「風評被害」を心配しているという。

「自分の周りは『今回の事件のせいで川口に住んでいるクルド人も悪いことしていると思われるんじゃないか』って心配している。ふだんクルド人のトラブルとか、クルドカーが話題になると、みんなすごいイライラしたりするんだけど、今回はまったく別。みんな『デニズは悪いヤツだった。同じクルド人だからといって、あいつと同じだとは思われたくない』って話してるよ」

今後、デニズ被告が犯した罪が、クルド人問題に大きな影響を与えるかもしれない。

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