石丸氏応援は推し活?　「再生の道、ちゃんと報道してください」

5月16日。東京・新橋で行われた「再生の道」立候補予定者による合同演説会。60代の女性に話しかけると、そう言われた。隣にいた女性も急にこちらに顔を向け「新聞とかメディアは絶対うそですから」と言う。
「報道がものすごく偏っています。たくさんあるうちの一部分しか伝えないでしょ。毎回そうです」「石丸さんが出て、すべて変わってしまったんですよ！」
2人はこの日が初対面だったというが、なぜか息が合っている。
彼女たちが問題としていたのは、いわゆる報道の「切り抜き」についてだ。石丸氏がテレビ取材を受けた際、インタビューのノーカット放映を繰り返し求めてきたことを私は思い出した。

状況にもよるが、そのまま全てを出すのが報道とは言いがたい。そういった趣旨を伝えると「本当は偏向報道だとあなたも分かってやっているんでしょ？　仕方ないです。もう直らないですね」「まあ、あれだけ石丸さんにガンガン言われたら記者も大変よ」と彼女たちはため息をついた。
私は彼女らにあきれられ、半ば同情されていた。
ほぼ同じ内容を別の女性ボランティアから言われたこともある。
「会社から指示されて、再生の道をきちんと取り上げることができないわけですよね。でも、石丸さんは取材をシャットアウトしませんよ。頑張れば必ず受け入れてくれます」。そこには激励に近いものがあった。
会社からの指示で再生の道をあえて取り上げない、そんな事実はない。
「いや。だから、そもそもそういった状況にはないんですよ」。そう私は言ったが、話は最後までかみ合わなかった。

すべての人がマスコミ拒否かというと、そうではない。心を打ち明けて話してくれる人もいた。
6月6日。石丸氏は初めて街頭演説を行うことになり、中央区などから立候補予定の2人とともに、選挙カーの上に立った。
「キャー」。石丸…(以下有料版で， 残り789文字)

毎日新聞　2025/6/24 06:00（最終更新 6/24 06:00）
https://mainichi.jp/articles/20250623/k00/00m/010/272000c