検察側が上告を断念　大阪府吹田市の「交番襲撃事件」被告の無罪判決が確定へ

2019年6月、吹田市の交番前で男性巡査が胸などを何度も包丁で刺され実弾の入った拳銃を奪われました。

裁判の争点は男性が犯行当時、精神疾患を患っていたことから「刑事責任能力の有無」でした。1審の大阪地裁の判決は「統合失調症の影響抜きに説明できない所もあるものの計画性があり、善悪を判断できる能力を全く欠いた状態ではなかった」などとして、限定的に責任能力を認め懲役12年を言い渡しました。

そして、3月20日の2審の判決で大阪高裁は「1審判決は統合失調症が犯行などに影響していた評議が尽くされていない」とした上で「拳銃を奪うなどの行動自体が統合失調症の影響が増す中で行われたもので、犯行前後を総合的に鑑定すれば心神喪失の状態にあった」として、被告の男性に無罪を言い渡しました。

大阪高検は、その後上告するかを検討していましたが、「判決内容は十分検討したが、適法な上告理由までは見いだし難い」として、上告を断念することがわかりました。これで被告の男性の無罪が確定することになります。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20230403/GE00049137.shtml