野党から「だまし討ちだ」との批判が出るのも当然である。もともと、全13党派中、参院野党第1党の立憲民主党を含む6党派が慎重・反対の立場を示すなど、総意と言えるか疑わしかったものが、一層総意からかけ離れた姿になってしまった。
立法府の総意の名に値しないだけではない。「国民の総意」にもそぐわない。世論はむしろ、女性・女系天皇を望む声こそ高まっている。
憲法で日本国と日本国民統合の象徴とされた天皇を巡る議論では、政争を避け、熟議を尽くす必要がある。上皇さまの天皇退位をめぐり、当時の大島理森衆院議長が「静謐(せいひつ)な環境のもと節度ある真摯(しんし)な議論」を与野党に求めたのは、そのためだ。
森英介衆院議長は、養子に男の子が生まれれば皇位継承権を持つと、総意のとりまとめ案にはなかった見解を述べるなど、自ら「静謐な環境」を害している。
自民党の中曽根弘文・憲法改正実現本部長の講演での発言も看過できない。
天皇、皇后両陛下の長女愛子さまによる皇位継承は「あり得ない」とし、「天皇になったら結婚する人もいない」とも述べた。女性天皇への道を開くことを、そこまで忌避するのか。男尊女卑、女性蔑視的な考えを公然と示す神経を疑う。
閣議決定直前、養子の対象年齢をめぐる規定に、日本維新の会が異論を唱えた。与党内の不協和音は、「総意」が虚構だった証左ともいえる。相次ぐドタバタ劇の中で、詰めるべき論点が次々と浮かび上がってきている。
森議長は1日、与野党の幹部に対し、皇室典範改正案の今国会成立を最優先してほしいと伝えた。だが、このまま強行すれば、天皇制のあり方だけでなく、議会政治の歴史にも大きな禍根を残すことは間違いない。国民の総意とも立法府の総意ともかけ離れた暴走は許されない。
朝日新聞 2026年7月2日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S16494297.html?iref=pc_rensai_long_16_article
引用元: ・【朝日社説】皇室典範改正 強行すれば禍根を残す [蚤の市★]
てことかな

