広島カープは10月1日、小園海斗内野手、矢野雅哉内野手、前川誠太内野手、田村俊介外野手の4選手と来季の契約を結ばないと通告した。小園は昨年、首位打者のタイトルを獲得し、最高出塁率もマーク。矢野は一昨年、ゴールデン・グラブ賞に輝いた。広島の中心選手らを戦力外通告という発表に、衝撃が走った。
今年の広島は、シーズン前から暗雲が垂れ込めていた。昨年までチームに所属していた羽月隆太郎元選手が今年1月、「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物のエトミデートを使用したとして、医薬品医療機器法違反の容疑で逮捕され、5月の初公判で起訴内容を認めて有罪判決を受けた。
疑惑はそれで終わらなかった。羽月元選手は5月の公判の場やSNSで、他の選手も指定薬物を使っていたなどと主張。また7月には、羽月元選手に薬物を譲渡したなどとして逮捕・起訴された人物(9月に有罪判決)と、小園、矢野、田村が同席する写真が、写真週刊誌に掲載された。さらに7月末には球団が、矢野、前川の自宅などが広島県警の家宅捜索を受けたことを発表。その後、9月25日に広島県警が両選手を医薬品医療機器法違反容疑で書類送検している。
矢野、前川両選手は容疑を否認しており、検察の処分は明らかになっていない。小園、田村両選手についても違法行為への関与が確認されたとは発表されていない。球団は「ゾンビたばこ」使用の事実を確認できなかったとしながらも、「球団との信頼関係を築くことが難しい」(鈴木清明球団本部長)として、4選手と来季の契約を結ばないことを決めた。
とくに衝撃的なのは小園だろう。侍ジャパンに選出され、今年3月のWBCにも出場した球界を代表する選手の1人だ。実は球団は、小園のトレード話を進めようとしていたという。ある広島球団関係者が言う。
■阪神の補強ポイントに合致する小園
「今回の戦力外が決まる前、シーズン終了直後にも、小園をトレードで移籍させることを検討していました。ショート、サード、セカンドが守れて、首位打者をとった打撃力もあり、走攻守がそろっている。侍ジャパンに選ばれて人気もある。大型トレードに発展させたいという思いがあった」
なかでもトレード相手として期待していたのが阪神だったという。阪神では、三冠王の獲得が有力視されている主砲の佐藤輝明が、今オフにもメジャー移籍する可能性が取り沙汰されている。佐藤が抜ければ三塁のポジションがあく。また、阪神は今シーズン、遊撃も固定できなかった。小園は補強ポイントに合致する選手だ。
「確かに阪神と商談できればという考えはありましたが、一方で、行動において信頼が築けない選手を放出して、その後にさらにトラブルが発覚すれば、出したうちも信頼を失い、球界全体に迷惑がかかる。戦力外にするという厳しい判断となった」(前出・広島球団関係者)
戦力外通告を受けて小園はSNSを更新。
〈今シーズンにおける私自身の私生活の軽率な行動や一連の報道により、球団関係者の皆様、監督、コーチ、チームメイト、そして何より熱い声援を送り続けてくださったファンの皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたこと、心より深くお詫び申し上げます〉
と謝罪しつつ、
〈違法薬物の使用や所持、あるいは反社会的勢力との繋がりといった法令違反行為につきましては、私自身、過去も現在も一切関与しておらず、いかなる違法行為の事実もございません〉
ときっぱり疑惑を否定している。
4選手の今後の野球人生はどうなるのか。
野球評論家の江本孟紀氏はこう話す。
「一度、疑惑が浮上すると、なかなかNPBでとってくれるチームはない。昔と違って、コンプライアンスが強化され、再チャレンジが、そう簡単に認められなくなっている。4人の選手はいずれもまだ若くて実力も十分で、なんとかチャンスの場があればと思う。とくに小園は、メジャーでもやれる実力がある。この際、メジャーにチャレンジしてはどうなのか。手を挙げるチームはきっとあるはずだ」
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b081c357385c1b3d56fa835ba32e23ec32e72e7
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