第74回全日本吹奏楽コンクールがまもなく全国大会を迎える。中学生、高等学校、大学、職場・一般の4部門で約1万の団体がエントリーし、6月から始まった地区大会以降、全国大会への切符をかけて演奏を競ってきた。そうした中、SNS等でたびたび議論となる言葉がある。金賞を受賞したにもかかわらず、上位大会への代表に選ばれなかった団体を指す「ダメ金」だ。なぜ金賞なのに上に行けないのか、そして「ダメ金」という言葉を当事者たちはどう捉えているのか――吹奏楽関係者に話を聞いた。
地区大会や支部大会などで金賞を受賞しながら、上位大会への代表に選ばれない――そんな団体を指す言葉“ダメ金”。
一般的には、金賞は「一番」という感覚で、それを取ったのに上位大会に進めないのは奇異に感じるだろう。
吹奏楽の世界では、なぜ「金賞」を受賞しながら、上位の大会に進むことができないのか。
吹奏楽の世界に長く携わり、社会人として働きながら、中学の部活動で外部コーチとして指導した経験のある40代のAさんはこう解説する。
「コンクールでは、金賞、銀賞、銅賞という三つの賞のいずれかが表彰されます。その中から上位の団体が上の大会に進めるというシステムになっていて、その枠の数が決まっています。例えば、上位大会への代表枠が『5団体』と決まっている中で、金賞が7団体出た場合、2団体は代表に選ばれないことになります」
全日本吹奏楽コンクールは、地区大会や都道府県大会などの予選から始まる。審査や代表選出の方法は都道府県や支部によって異なるが、Aさんの言うように、出場団体には「金賞・銀賞・銅賞」のいずれかが贈られ、その中から上位大会へ進む代表団体が選ばれるのが一般的だ。
つまり、吹奏楽の世界では、金賞は「一番」の団体に与えられるものではなく、金賞にふさわしい演奏をした団体に与えられる栄誉というわけだ。相対評価ではなく、絶対評価なのである。ただ、金賞の中でも順位がつけられ、枠が足りなければ上位大会に進めない団体が出てくる場合がある。
「それを、どこの誰が言い出したのかわかりませんが、いつからか金賞を取ったのに上の大会に行けなかったことを“ダメ金”と言うようになりました」
この「ダメ金」という言葉はSNSでは否定的な声が目立つ。
「『ダメ金』って言葉 ホンマに嫌い」
「だれだよダメ金って言葉作ったやつ」
「吹奏楽コンクールで代表逃した金賞にダメ金って言うのもうやめませんか」
せっかく素晴らしい演奏をして金賞をとったのに、「ダメ」という言葉がつけられることに違和感があるのだろう。
ちなみにAさんによれば、代表に選ばれなかった金賞団体が、すべて「ダメ金」と呼ばれるわけでもないという。
「吹奏楽コンクールは、地区大会、都道府県大会、支部大会、全国大会と段階が分かれますが、それぞれの団体のレベルによっても意味合いが違いってくると思います。
例えば地区大会や県大会などでずっと銀賞、銅賞が続いていた団体が初めて金賞を取った場合に、『ダメ金』という人はまずいません。大躍進ですから。
ただ、いわゆる強豪校の場合、目標としていた上位大会に行けなかったとなれば、たしかに『ダメ金』という言い方になるかもしれません。外から見たわかりやすさ、あるいは自身の悔しさを込めて『ダメ金だった』と言うことはあると思います」
「コンクールの使い方を間違えたら、恨みつらみにしかなりません」
しかし、なぜ吹奏楽は他のジャンルにはない特殊なシステムを採用しているのだろうか。
吹奏楽の強豪校がある地域で育ち、自身も小学生時代からチューバを演奏し、社会人になってからは中学校の吹奏楽部で約10年間、会社員のかたわら外部コーチとして指導に携わった経験を持つAさんはこう語る。
「例えば、代表に選出される団体のみを金賞にして、それ以外の団体は銀賞以下にするというやり方にすれば、確かに『ダメ金』という言葉はなくなるかもしれません。でも、やっぱり金賞に値する素晴らしい演奏をしたのであれば、金賞をあげるべきじゃないですか。大会の中での金・銀・銅という評価は、その演奏に対してなされるものであるし、それと枠が決まっている代表選考というのは、また別の話だと思います」
確かに、勝敗がはっきりする野球などのスポーツと音楽は違うので、吹奏楽独特のシステムがあるのは自然なことかもしれない。
※以下引用先で
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
https://shueisha.online/articles/-/258851
10/12
COMMENTARY解説
「『ダメ金』って言葉 ホンマに嫌い」とSNSで反発も。
強豪校には悔しさが募るが、初金賞の学校には無縁な呼び名となる。
全国大会を控え、この言葉はまた議論を呼びそうだ。
金賞は絶対評価で贈られるものとされ、代表枠の数は地区や支部ごとに決まっているとAさんは説明する。審査基準の詳細や採点内容は記事になく、『ダメ金』という言葉がいつ誰から広まったかも当事者たちにも分からないという。まもなく全国大会を迎える中、目標の大会に届かなかった強豪校には重い言葉として残るとみられる。
VOICESネットの声
5ch: ・「金賞なのに『ダメ金』と呼ばれるなんて…」吹奏楽コンクールの不可解な慣習に疑問の声…なぜ金賞でも上位大会に進めない?
中高と6年通してやったが、ハッキシ言ってあらゆる運動部よりもキツイと断言する
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