「源田は打撃では期待しづらい」
3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表の指揮を執る栗山英樹監督(61)が、残りの代表メンバー選出に苦悩を深めている。日本ハム監督就任1年目に初めて選手の前で話し、思い入れがあるという1月11日に開いたコーチ会議では結論を持ち越した。大谷翔平(エンゼルス)やダルビッシュ有投手(パドレス)らMLB勢の招集に成功し、「史上最強」の呼び声が高いメンバー編成が着々と進行中かと思いきや、最終段階である選手の処遇で迷いが生じているという。巨人の坂本勇人内野手(34)のことである。
侍ジャパンの中核になりそうな12選手は1月6日に先行発表された。大谷、ダルビッシュのほか鈴木誠也外野手(カブス)、NPBからは村上宗隆内野手(ヤクルト)、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)両投手らそうそうたる顔触れが並んだ。この日、正遊撃手としての選出とみられたのが源田壮亮内野手(西武)だった。
過去にWBCでコーチを務めた球界OBは指摘する。
「確かに源田は遊撃守備では日本球界ナンバーワン。しかし、昨季までのプロ6年間で打率3割を超えたことが一度もなく(最高は2018年の2割7分8厘)、打撃では期待しづらい。昨季、打率1割台(1割8分)だった甲斐(拓也捕手=ソフトバンク)もスタメンとなると、栗山監督にしてみれば打線に二つ、穴がある感覚になる。坂本の攻撃力は捨てがたいだろう」
坂本は遊撃という過酷なポジションながら20年に右打者では史上最年少の31歳10ヵ月で通算2000安打に到達した。一昨年には東京五輪で日本代表の金メダル獲得に貢献。WBCには13、17年大会と2度出場し、国際経験も申し分ない。昨季は不振で、加齢による衰えは隠せないとはいえ、侍ジャパンで待望される「打てる遊撃手」。WBCの東京ラウンドは巨人の親会社の読売新聞が絡んでいるだけに、興行的にも本来なら1次発表で名を連ねてもおかしくないのだが……。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d0bd5a1de837c3a4efe3183a070ee3a43cba6d26
引用元: ・【野球】栗山英樹監督“坂本選出”への苦悩は自業自得 もうひとつの醜聞、WBC制覇にも「暗雲」 [Ailuropoda melanoleuca★]
「坂本招集」の反発を予期?
周知の通り、坂本を巡っては昨夏、20代女性への妊娠・中絶スキャンダルが発覚した。この件について本人、巨人球団共にスルーし、坂本は1軍に帯同したままでシーズンを終えた。
「確かに女性とは示談により解決済み。しかし、子どもたちの模範でもあるプロ野球選手が何一つペナルティーもないままプレーを続けたことに、道義的な責任はあるのではないかと違和感を覚えたファンは多かった。WBCでは日の丸を背負い、まさに日本を代表する選手として他国と戦うことになる。戦力として必要だからと、なし崩し的に招集すれば、一球団の選手の枠にとどまらない反発を受ける可能性がある。栗山監督はそのことを予期しているからこそ、躊躇しているのではないか」(遊軍記者)
さる元NPB監督によると、栗山監督にはもう一つ、坂本招集をためらう理由があるという。21年8月、当時指揮を執っていた日本ハムで中田翔内野手の同僚選手への暴力事件が発覚した時のことだ。
「それまでにも、中田のチームメートへの横暴ぶりを見て見ぬふりしていた栗山監督に対しては、監督責任を問う声が上がった。球団は無期限の出場停止処分を科しながらも、すぐに巨人へ無償トレードで放出したことで、中田はケジメをつけずにグラウンドに復帰した。このトレードに大きく関与したのが栗山監督で、評論家時代にコーチを打診されるなどした原(辰徳)監督との深い関係性があったからだった」(同)
中田のトレード時期は誤り
しかし、多くのファン、巨人の他選手までもが中田の“禊ぎなき復帰”にそっぽを向いた。昨季、中田が見せた復活の気配にも、いまだに冷ややかな視線を送る関係者は少なくない。
「暴力事件をうやむやしたタイミングでのトレードは、栗山監督も誤りだったと認めているようだ。自身がトレードの推進役を担ったことに後悔の念もあるだろう。今回のWBCで坂本を代表入りさせれば、中田の時のように醜聞を曖昧にしたままプレー機会を与えることになる。ハレーションが再び、起きることを恐れているとみている」(同前)
09年以来のWBC制覇のためには是が非でも坂本を招集したい。一方で醜聞が蒸し返され、ファンの反感が再燃することで、他の代表選手のプレーにまで悪影響を及ぼす可能性も否めない。坂本自身も選手としてこのまま衰えゆくか、それとも巻き返すか、岐路に立たされている今季、開幕前から躓くことは避けたいだろう。前出の元WBCコーチがこう明かす。
「栗山監督は原監督に坂本を呼ぶべきかどうか、相談を持ちかけているようだ。日本が優勝した09年のWBCで指揮を執った原監督は、最終的には栗山監督自身が決断すべきというスタンス」
坂本を代表入りさせるかどうかの判断は、史上最強の侍ジャパンの命運を左右すると言っても過言ではない。日本代表の全30選手は今月下旬までに判明する。